陸上のトラックシーズンが本格的に始まり、パリ五輪の代表争いが佳境を迎える。代表入りを既に決めているのは、女子やり投げで昨夏の世界選手権を制した北口榛花(JAL、旭川市出身)のみ。代表選考会となる6月末の日本選手権(新潟)まで、白熱した戦いが繰り広げられそうだ。
世界選手権の入賞者は、今季に五輪参加標準記録を突破すれば代表に決定する。男子100メートルのサニブラウン・ハキーム(東レ)、同110メートル障害の泉谷駿介(住友電工)、同3000メートル障害の三浦龍司(SUBARU)、同走り高跳びの赤松諒一、女子5000メートルの田中希実(ニューバランス)、同1万メートルの広中璃梨佳(日本郵政グループ)が該当する。
100メートルの自己ベストが9秒97のサニブラウンは3月に10秒02の好タイム。10秒00の参加標準記録クリアは射程圏で、山縣亮太(セイコー)の日本記録(9秒95)更新も視野に入る。
今季は桐生祥秀(日本生命)が室内60メートルの日本記録を6秒53に更新し、多田修平(住友電工)がさらに0秒01短縮した。ともに100メートルで世界選手権代表の坂井隆一郎(大阪ガス)、柳田大輝(東洋大)も実力者。山縣や小池祐貴(住友電工)らも絡み、400メートルリレーを含めた代表争いは激しくなりそうだ。
男子110メートル障害はハイレベル。泉谷以外にも、昨年9月に泉谷に並ぶ日本記録の13秒04を出した村竹ラシッド(JAL)、野本周成(愛媛陸協)が参加標準記録(13秒27)を突破。高山峻野(ゼンリン)らも加わってしのぎを削る。
順大を卒業した三浦は五輪2大会連続入賞を目指す。男子走り幅跳びの橋岡優輝(富士通)は好調で、3月に参加標準記録(8メートル27)をクリア。赤松の走り高跳びは国内に実力者が多く、混戦が予想される。
北口は27日のダイヤモンドリーグ蘇州大会(中国)から始動し、五輪制覇が懸かる夏に向けて調子を上げる構え。田中と広中は2種目での代表入りと入賞を狙う。

















