苫小牧市が2028年度までの建て替え方針を示していた市総合体育館(末広町)の改修スケジュールが大幅に遅れそうだ。市は23年度までに整備計画を策定する方針だったが、物価高騰などによる財源の負担増に加え、JR苫小牧駅周辺の再開発との兼ね合いで、現在は立ち止まっているためだ。市は現体育館の延命措置も視野に入れ、今年度も調査を続ける考えだ。
現体育館は1973年に開設。苫小牧の開基100年を記念し、市民スポーツの拠点として整備した。メインアリーナはバスケットボールや卓球、バドミントンなどの競技大会を中心に、バスケットやフットサルのプロリーグも開催されてきた。一方、築50年以上が経過したことで建物の老朽化も著しく、アリーナの床のゆがみや雨漏りなどのトラブルも生じていた。
市によると、新体育館はバスケットやバレーボールで4面を使えるアリーナを考えている。22年時点で施設規模や概算事業費などの想定と、23年度に策定する整備計画で建設場所を明らかにする方針を示していた。昨年12月時点で建て替えの候補地として▽緑ケ丘公園▽苫小牧駅周辺▽現地建て替え―の3カ所に絞ったが、それぞれに一長一短がある。
緑ケ丘公園に移転新築する場合、スポーツ施設の集約につながり、道央自動車道・苫小牧中央インターチェンジに近い利点もあるが、地盤が弱いことがネック。苫小牧駅前周辺の移転新築は、まちなかのにぎわいが期待できる半面、駐車スペースの確保が課題。現地建て替えは、工事に数年かかることから、期間中に利用者への支障が出るのは避けられない。
ここに来てさらなる課題も続出。昨年10月から大規模投資の市民文化ホール建設工事が進む中、原材料などの価格高騰で事業費は大幅に膨らむ見通しとなったほか、人手不足の深刻化で工期の延長も懸念される現状だ。市が最重要課題と位置付ける苫小牧駅周辺の再整備を巡っては、廃虚化が進む旧商業施設「苫小牧駅前プラザエガオ」問題がいまだ解決せず、各大型事業を進める上でこれから調整が必要になる。
こうした状況から市は2月の市議会定例会の市政方針説明で、総合体育館の建て替えについて「建設場所や建設規模は、駅前再整備の方向性を見極めた上で、しかるべき時期に判断する」と表明。今年度、現体育館のアリーナ床や屋根など、延命による補修が必要な項目ごとに、金額や改修期間について調査する考えだ。
ただ、胆振・日高地域の各大会は、現体育館で開くことが多いため、市スポーツ都市推進課は「長期間使えないと、宿泊や昼食などを含め、まち全体に与える影響が大きい」と懸念する。「競技団体との日程の兼ね合いもあり、来年度以降、改修ができるかは不明」としつつ「駅前再整備を見極めながら進めることになる。建て替えか延命かどちらにも対応できる準備をしていく」と話す。
















