「残して良かった」 撮影に協力した女性駆け付け 映画「アイヌの結婚式」上映会  むかわ

「残して良かった」 撮影に協力した女性駆け付け 映画「アイヌの結婚式」上映会  むかわ
上映後に学生からの質問に答える小山さん(右から2人目)

 むかわ町穂別町民センターツツジホールで21日、映画「アイヌの結婚式」(1971年制作)の上映会が開かれた。町内外から約100人が来場したほか、当時、花嫁として撮影に協力した町穂別在住の小山タヱコさん(84)が訪れ、アイヌ民族の伝統的な結婚式を収録した作品に見入った。

 上映会は、50年以上前に記録された貴重な映像を多くの人と鑑賞しようと、同上映会実行委員会が企画した。

 映像は約30分間で、71年4月に穂別から平取町二風谷に嫁いだ小山さんが、周囲の反対を受けながらも、古来からの方法で結婚式を挙げる様子が映し出された。

 上映後、小山さんと親交のある札幌大学の本田優子教授(アイヌ文化専門)が「当時はアイヌ民族への差別が厳しい時代。伝統的な結婚式を挙げることはとても大変だった」と解説した。

 小山さんは会場で久しぶりに再会した人と抱き合って笑顔を見せ、映画を撮影したカメラマンとオンライン上で対話。同大の学生からの質問にも答えた。映画については「(民族の伝統を)残したいという思いだった。結婚式でいろいろな人と出会い、みんな喜んでいたので良かった」と話していた。

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