苫小牧市内の美容室で多くの花嫁衣装の着付けを手掛けた石塚ヒデ子さん(87)が、長年商売道具として使用した花嫁衣装をカットして1枚の布にする裁断式がこのほど、住吉町の交流サロン「ハマ遊の友」で行われた。石塚さんは「世代を超えて受け継がれた着物を次の形に生まれ変わらせて後世に残したい」と話した。
裁断したのは、鮮やかな色合いの十二単(ひとえ)と婚礼衣装の打ち掛け。いずれも約50年前に購入し、当時の価格で100万円ほどした。
市内の手芸団体などの女性7人が集まり、石塚さんがはさみを入れようとすると「もったいない」「一度着たい」との声が上がって作業を中断。参加者が試着し、かつての自身の花嫁姿を思い出しながら余韻に浸った。
その後、改めて作業を再開。縫い目に沿って丁寧に糸を切ると、15分ほどで表地、裏地がそれぞれ1枚の布に。参加者は名残惜しそうにしながらも、華やかな衣装の最後を見届けた。
これらの布は市内で活動する手芸団体や個人に寄贈され、お手玉やポーチなどにリメークされるという。石塚さんは「役目を終えた衣装には感謝の気持ちでいっぱい。新たな姿に生まれ変わった物と対面できる日が楽しみ」と語った。
















