苫小牧市しらかば町の糸井公園パークゴルフ(PG)場が10月末で住民有志の運営を終了し、閉鎖されることになった。以前は町内会管理の方式で運営してきたが、2020年から同好会有志が引き継ぎ、楽しみの場を自らの手で管理してきたものの、会員の高齢化が進んできたため、総会を開いて継続断念を決めた。
今年は早咲きの桜が満開に近づいた1日にオープンし、9ホールのコースに出て好天下でショットやパットのプレーを楽しむ男女会員たちの姿が見られる時期となった。高橋俊仁副会長(81)は「続けたかったが、われわれの手で整備は難しくなった。断腸の思いで維持の断念を決めた」と語る。同好会は4月12日にしらかば総合福祉会館で総会を開き、10月いっぱいでの解散を決議した。
同公園のPG場は2000年に供用が始まり、当初はしらかば西、東、中央の3町内会で芝刈りや秋以降の落ち葉拾いなどの管理を手掛けたが、19年でそうした方式はいったん終了した。
PG場の存続を目指した住民の10人ほどが名乗り出て、苫小牧市と同公園の美化に協力して活動場所とする「トマコマイクリーンアップ・サポーター制度」で合意文書を結んだ。20年からは同好会として会員から年1000円を募り、再オープン。PG場の維持管理も本格的に担った。
同好会は120人超からのスタートとなったが、23年の会員は104人。結成から5年の月日が流れると、80代になった会員が増え、運営委員会が中心になって行うシーズン中毎週1回の芝などの整備やカラスに掘られる穴の修復、秋口からはポリ袋に集める大量の落ち葉回収といった作業が徐々に困難となった。
「車のない人が手軽に来れるPG場。会員になって家に閉じこもらなくなった、との声も聞きます」と事務局の谷本誠治さん(77)は語る。元キャディーの会員から芝の育成や管理方法を学ぶなどして、自主運営を続けたが限界が訪れた。「春は桜が楽しめるし、木立の中のコースで夏は日陰も多いのでいい所でしたが」と残念そうだ。
有志が愛した施設は閉鎖に向けて時を刻むが、整備の月曜日以外は会員以外でもPG場内の募金箱に100円を寄付するとプレーが可能。谷本さんは「他からもここに遊びに来て、楽しんでもらえれば」と笑顔で話した。

















