被爆者の証言を語り継ぐ広島市の被爆体験伝承者入谷方直さん(51)=奈良県在住=の講演会が27日、苫小牧市文化交流センターで開かれた。入谷さんは13歳で被爆し、心と体に癒えることのない傷を負った朴南珠(パク・ナムジュ)さん=広島市在住=の体験談や非核平和への思いを写真、地図などの資料を示しながら市民らに伝えた。
市の非核平和事業の一環。同センターで行われている市主催の原爆パネル展の一角を会場に開催され、小中学生を含む市民ら約30人が参加した。
朴さんは、自宅近くの広島市福島町の路面電車内で被爆。周りの大人の陰になったためか一緒にいた妹や弟は無傷だったが、自身は飛んできた破片などで負傷した。必死に自宅を目指す途中、破壊し尽くされ変わり果てたまちの様子やぼろぼろになった人々が「熱い、熱い」とうめきながら、次々と力尽きていく姿を目の当たりにしたという。
この時に見た光景を、朴さんは被爆から79年がたとうとしている今も「地獄という言葉では表現し切れないものだった。二度と思い出したくない」と話していると強調。朴さんは家族との再会を果たすが放射能による健康被害に苦しめられ、結婚後授かった双子も生後間もなく急死する悲劇に見舞われるなど原爆の恐怖に脅かされ続けたという。
入谷さんは在日韓国人二世の朴さんについて、差別も経験したが「多くの人に助けられて今がある」という感謝の言葉を繰り返していると指摘。「今も続く核の恐怖をなくすため、自分に何ができるか考えよう」と呼び掛けた。
講演後、明野中学校3年生の白山想さんは「被爆者の人生や思いは学校の勉強だけでは知ることができず、貴重な話を聞かせてもらった。私たちはもっと、戦争について知らなければいけない」と語った。
















