運航再開に安堵の声 苫小牧港 フェリー座礁事故1カ月

運航再開に安堵の声 苫小牧港 フェリー座礁事故1カ月
運航を再開した「シルバーブリーズ」=1日午前1時半ごろ、苫小牧市入船町の苫小牧西港フェリーターミナル

 苫小牧―八戸間を結ぶ川崎近海汽船(東京)のフェリー「シルバーブリーズ」(8901トン)が、苫小牧港・西港で消波ブロックに乗り上げる座礁事故を起こしてから2日で1カ月。同船は事故後、原因調査や修理のため運休し、7月29日午後5時半に八戸港を出発する便から運航を再開。物流にも影響が出ていたが同航路は4隻のフェリーで往復する体制に戻り、トラックドライバーなどから安堵(あんど)の声が上がる。

 1日午前1時20分、苫小牧市入船町の西港フェリーターミナル。八戸港から到着したばかりのシルバーブリーズから続々と、道内各地へ雑貨や食品を運ぶトラックが下船していた。

 港湾関係者によると、同船は深夜帯に苫小牧港に着くことから、朝早い時間に荷物を届ける必要がある運送会社を中心に需要があるという。

 川崎近海汽船によると、再開初便の7月29日午後5時半八戸発のフェリーには乗客32人とトラックやトレーラー35台、乗用車11台が乗船。翌30日午前5時苫小牧発には乗客45人とトラックなど58台、乗用車3台が乗り込み、事故前と変わらない利用状況という。運休は28日間で往復55便に上り、利用者が他社フェリーへ振り替える動きもあった。

 道内と関東地方の間で雑貨類を運ぶトラック運転手の山田幸司さん(51)は、同船が運休している間は函館―青森間の青函フェリーを利用。運転時間が片道で4時間半ほど増えていたといい「(運航距離の短い)青函フェリーだと休める時間も減る。体力的にきつかったので(再開されて)よかった」と喜ぶ。

 同じく青函フェリーを代替利用していた札幌市内の運送会社で働く男性運転手(66)も、「寝不足で疲れが取れなかった。もう少しかかると思っていたので(約1カ月での)再開はありがたい」と歓迎する。

 同社は運航再開に当たり「再発防止に努め、より一層の安全運航に努める」とのコメントを出した。

 事故は7月2日未明に発生。苫小牧西防波堤灯台付近の消波ブロックに乗り上げ、制御不能になったが乗客乗員にけがはなかった。

 座礁事故当時、同船は消波ブロックに乗り上げた衝撃で船首や船底部を損傷。自力航行可能だったため西港内で回航後、苫小牧海上保安署や国土交通省運輸安全委員会の現場検証を経て、室蘭港で仮修繕を行った。本格的な修繕は広島県尾道市のジャパンマリンユナイテッド因島事業所で、7月13日から13日間かけて実施。破損した船首の突起「バルバス・バウ」の撤去や船首のへこみ修理を行い、同26日に国から営業運航の再開に必要な許可を得た。

 まだ座礁事故の原因究明には至っておらず、運輸安全委は1年以内の結果公表を目指して調査を続ける。一方、川崎近海汽船の内部調査で船内の機器に不具合は見つかっておらず、同社は「(事故原因が)機器の損傷とは考えていない」とし、専門家から人為的ミスを指摘する声も上がっている。

関連記事

最新記事

ランキング

一覧を見る

紙面ビューワー

紙面ビューワー画面

レッドイーグルス

一覧を見る