白老町の熊谷商店(熊谷威二会長)が運営する町本町の「スーパーくまがい」が16日正午、創業から49年11カ月の歴史に幕を下ろした。閉店時のセレモニーで、熊谷会長は常連客や従業員約60人を前に深々と頭を下げ、長年の利用と従業員の働きに感謝した。店舗は同日、道内で複数のスーパーマーケットを展開する北雄ラッキー(札幌市、桐生宇優社長)に譲渡され、26日午前9時ごろに「ラッキーマート白老店」として新規開店する。
熊谷商店は1974年9月からスーパーマーケット事業を町内で始めた。現店舗は店舗面積約990平方メートルで、大町と栄町にあった2店舗を統合し、94年に移転新築した。生鮮食品、飲料、手作り総菜、日用品などを販売し、閉店前日の15日には半額セールを実施。ほぼ完売したため、16日の閉店時間を当初予定した午後3時から正午に前倒しした。
熊谷会長は「地域の支援と従業員の懸命な働きで、きょうまでやってくることができた。従業員は培った経験を新たな現場で存分に生かしてほしい」と涙ながらにあいさつ。北雄ラッキーについて「この先、白老の人口が減っても営業を続けられるオペレーションの確かさを信頼している」と語った。新店舗を担う畠中喜幸店長(45)は「熊谷商店の事業に敬意を表する。店の良い部分を継承し、地域の方々に貢献できる店を目指したい」と店づくりの方向性を示した。
16日午前に買い物に訪れた町末広町の女性(88)は、商品のない棚に驚きながら「肉や野菜は新鮮で、すしなどの総菜もおいしかった。新しい店にも頑張ってもらいたい」と話した。
常連客らは名残を惜しんでセレモニーを見守り、その後、熊谷会長と握手を交わして店を離れた。中には「ありがとう」と謝意を伝える人もいた。
北雄ラッキーによると、新店舗はトイレなどを一部改修するほかは、全体のレイアウトを変えない方針。フードコートの「元気広場」も継続する。胆振管内では初出店となり、フードコートのある店舗は北雄ラッキー全体でも初めてとなる。
店舗前面の壁に2022年8月、後志管内蘭越町在住の画家吉田卓矢さん(38)によって描かれた巨大壁画「白老の夢」(幅20メートル×高さ2メートル)は、店のランドマークとして少なくとも2年間、そのままにするという。

















