出光道製油所新所長 原氏に聞く 「地元とともに」 地域特性生かし、CNXを具体化

出光道製油所新所長 原氏に聞く 
「地元とともに」 地域特性生かし、CNXを具体化
「安全安定操業が一番の地域貢献」と原所長

 北日本唯一の製油所である出光興産北海道製油所(苫小牧市真砂町)。エネルギー供給拠点として地域になくてはならない存在で、現在実施中の4年に1度の大規模定期補修工事(SDM)は地域経済を潤す。また、脱炭素社会実現への機運が高まる中、カーボンニュートラル(温室効果ガスの排出ゼロ、CN)の取り組みを加速。6月25日付人事で製油所トップに就いた原英之氏(54)に、着任の抱負や今後の展望を聞いた。

 ―着任の抱負を。

 「安全安定操業が最大の地域貢献。道内唯一の石油製品製造拠点として、製品をしっかりとお届けする。二つ目は苫小牧地区で盛んに新たな企画が立ち上がっているゼロカーボン。一つ一つしっかり具体化することがわれわれの役割。三つ目はそうした取り組みを通じて、所員が自分の成長や地域に貢献している実感を持てる職場にする」

 「われわれの製油所が操業できるのは、地元の皆さんの理解があってこそ。『地元とともに』を大事な言葉として、地域貢献活動もしっかりやっていく」

 ―石油業界を取り巻く環境について。

 「石油製品の需要は右肩下がり。2020年基準で30年までに20%以上減退する見込みで、出光グループも需要に見合う生産体制に見直している。製造拠点が少なくなるとトラブル発生時、他事業所でバックアップできないことも想定される。道製油所は昨年50周年を迎えたが、未然に事故を防ぐことが重要。需要の減退、設備の高経年化と、最近は働き方改革もあって人手不足で、その対応は石油業界の大きな挑戦になる」

 ―脱炭素の取り組みは。

 「脱炭素に向かうのは間違いない。われわれはエネルギー供給事業者としてプレゼンスを発揮したい。これまでのガソリンや灯油、軽油だけではなく、水素やアンモニア、合成燃料と扱うものは変わるが、エネルギー供給事業者であることは引き続き標榜したい」

 ―出光は製油所のCNX(カーボンニュートラルトランスフォーメーション)センター化構想を掲げている。

 「地域の特性を生かし、苫小牧なりのCNXを具体化したい。再生可能エネルギーのポテンシャルが非常に高く、日本で唯一(二酸化炭素=CO2=を分離、回収、貯留する技術)CCS大規模実証事業が行われる一方、北海道は寒冷地で暖房需要が大きく、輸送が容易な液体燃料の使い勝手がいい。特殊な条件が重なって答えが導き出されてきている」

 ―CCSなど各企業と協力し、CNに取り組んでいる。

 「海外のCCSは原油や天然ガスを採掘した後、CO2を押し込んで残った原油やガスを回収できるメリットがある。日本は産油産ガス国ではなくメリットがない中、CCSをやることに意味がある。市場に受け入れられるものに仕上げていくことは大きな挑戦」

 「CNに取り組むと既存エネルギーよりも割高で、一企業で吸収するのは難しい。制度や税制、補助金など支援の枠組みができることが大前提になる。いずれにしてもゴールはいかに実現し、実装するかということ。目的をしっかりパートナーの皆さんと共有し、前に進めていきたい」

 原英之(はら・ひでゆき) 島根県出雲市出身。1994年、東北大学大学院修了、出光興産入り。前任は製造技術部次長。道製油所勤務は初めて。趣味はスポーツ観戦。サッカー経験はあるが「今は見る専門」。

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