政府が海洋に関する学術や研究、産業振興などで功績があった個人や団体を表彰する、今年度の海洋立国推進功労者(内閣総理大臣賞)を、苫小牧漁業協同組合(伊藤信孝組合長)が受賞した。同漁協は二酸化炭素(CO2)を分離、回収、貯留する技術CCS実証試験への協力が評価され、伊藤組合長は「苫小牧の取り組みが広く浸透し、脱炭素社会実現への一助になれば」と期待している。
同漁協は市が誘致活動に乗り出した2010年から、苫小牧CCS促進協議会に入って協力。国と連携して海洋環境や生態系への影響を監視し、把握した情報を漁業者に提供したり、調査に伴って操業調整したりと、本来業務外の取り組みも手弁当で協力した。
今年5月のCCS事業法成立を受け、経済産業省が同漁協を推薦して受賞が決まった。経産省は同漁協の功績について「海域CCSにおける円滑な海域利用者との調整や理解で、合意形成を図る良き成功事例となった」と説明する。
今年度は全国1団体・4個人が受賞し、「海の日」の7月15日に東京で表彰が行われた。伊藤組合長は「受賞は大変光栄」と喜びつつ「脱炭素の取り組みはこれからの社会に重要。海洋の環境や生物の安全を第一に、共存できればと取り組んできた」と強調する。
CCS実証では経産省の影響調査に加え、規制官庁である環境省の海洋調査も行われる中、同漁協が関係各所と連携しながら調整に追われたが、「(影響監視で)国とも意見を交換し、反映させながら事業が進んだので、地域に安全性を説明できた。苫小牧のような取り組みが広がっていけば」と話している。
CCSは地球温暖化対策で期待される技術。苫小牧では国内初の大規模プロジェクトとして、2012年度から国の実証試験を展開した。16年4月~19年11月に苫小牧沖の地中に、CO2を目標通り30万トン圧入し、安全に実用できる技術と結論付けた。
















