大学生が就業体験 めぐみ水産が受け入れ 商品開発や企画作りに挑戦   厚真

大学生が就業体験 めぐみ水産が受け入れ 商品開発や企画作りに挑戦   厚真
めぐみ水産の店舗で商品開発に励む大学生たち

 海産物の販売などを手掛ける厚真町浜厚真のめぐみ水産(佐々木俊之代表)は31日まで、一般社団法人DOFORFISH(ドゥーフォーフィッシュ、札幌市)の「海のインターンシップ(就業体験)」事業で、道外の大学生4人を受け入れている。学生たちは町内のシェアハウスで暮らしながら、地元水産物を生かした商品開発、冬の厚真を盛り上げる企画作りに挑戦。普段はできない経験を積み、水産業に理解を深めている。

 同事業は、ドゥーフォーフィッシュが日本財団(東京)の助成を受け、一般社団法人フィッシャーマン・ジャパン(宮城県石巻市)とともに取り組んでいる。海に関わる人々と学生の間に接点をつくり、担い手不足にある海に関わる職業や水産業に、関心を持つ人や企業を増やすのが目的。同社のほか、札幌市、根室管内標津町の鮮魚店や漁師団体が学生を受け入れており、11月に札幌市で成果報告会が行われる。

 学生4人は、大阪工業大学3回生の北野裕也さん(21)、国学院大学2年生の国嶋葵さん(20)、宇都宮大学1年生の岡本和夏さん(20)、津田塾大学1年生の佐々木風花さん(19)。それぞれ「地域や消費者と関わりたい」「自分のしたいことと求められていることが一致した」などの理由で志望し、5日から同社で活動している。

 北野さんと国嶋さんは新商品開発に取り組む。職員から調理の指導や助言を受けながら、タコやオオズワイガニなどを活用した3種類のメニューを考案。25日に安平町の道の駅あびらD51(デゴイチ)ステーションで販売する。北野さんは「商品化に向けて、もう少し改善したい」、国嶋さんは「消費者と関わる良い経験になる」と意欲を表す。

 岡本さんと佐々木さんは、冬に収益を高めることが難しい道内漁業で、地域を盛り上げられる企画の考案に挑む。町民にヒアリングし「学生サークルやインターン向けの合宿所を設け、学生と受け入れる企業双方にメリットを生み出す」「デジタルデトックス、自然資源や健康に良い食、出会った人が語り合う場をつくる」などの案を考え、精査して30日に町内で発表する。

 岡本さんは「地域活性化には、いろいろな視点、考え方があると感じた」、佐々木さんは「初対面で会った人たちと、一つのことを考えることができた経験を今後に役立てたい」と話す。

 めぐみ水産の佐々木代表は「(事業を通じ)若い人の意見を聞くことができた。考案された新商品は、好評な物から商品化したい。地域課題ではいろいろなアイデアや企画を頂ければ」と期待した。

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