道筋見えない北方領土問題 交流事業再開など決議 札幌で国民大会、街頭行進も

政府や国会に対する6項目の決議を採択した北海道・東北国民大会=23日午後、札幌市中央区の共済ホール

 「2024北方領土返還要求北海道・東北国民大会」(実行委員会主催)と啓発街頭行進が23日、札幌市内で行われた。22年2月のロシアのウクライナ侵攻に起因し、ロシア政府が日ロ平和条約締結交渉の打ち切りを一方的に表明するなど、戦後79年目の夏も領土問題解決の道筋は見えない。大会では、「北方四島交流事業の早期再開と円滑な推進を図ること」など6項目を政府、国会に求める決議を採択した。

 実行委は道など43機関・団体で構成。大会は1972年に「道民大会」として初開催。76年からは東北6県も加わり「北海道・東北国民大会」に拡大して開催している。大会決議については要請団を編成し、政府や国会に提出している。

 大会には約350人が出席。大会長を務める鈴木直道知事が訪米中のため、副大会長の渡邉修介氏(北方領土復帰期成同盟会長)が冒頭あいさつに立った。

 渡邉副大会長は戦後79年を迎え「この間、1万6000人の島民が亡くなり、存命の皆さんも平均年齢が88歳を超えた」と切り出し、「自分の足で故郷に帰る、生まれ育った土を踏むため、北方領土の一日も早い解決を待ち望んでいる」と強調した。ウクライナ侵攻も「いまだ終息せず、先行きが見通せない。日ロ関係は厳しい状況が続いている」と指摘。日本政府に対しては「ロシアとの交渉を強力に進め、四島交流事業の再開を最優先に取り組み、領土問題の早期解決に向け具体的な成果が得られるよう強く求める」と訴えた。

 続いて東北6県を代表して山形県の平山雅之副知事が「粘り強く返還要求運動を盛り上げていきましょう」と述べた。

 歯舞群島勇留島4世の根室市出身で札幌市在住の大学1年、半田つくしさん(19)が「領土問題解決には若者の力が必要と感じている」と返還をアピール。歯舞群島志発島出身の元島民の中村勝さん(86)=札幌市在住=も「政府の外交交渉を信じながら、粘り強く返還を訴える。私たちは諦めるわけにいかない」と訴えた。

 大会決議は、北方四島の一括返還の実現に向け、毅然(きぜん)たる姿勢で外交交渉に臨むこと▽国内世論の高揚と結集及び国際世論の喚起促進を図ること▽北方四島周辺水域の安全操業を確保すること―など6項目を盛り込んだ。

 また、大会では、外務省欧州局の小野健ロシア課長が「日ロ関係の現状及びロシア情勢について」をテーマに講演した。

     ◇

 大会開催前には「北海道・東北国民大会啓発街頭行進」も行った。濱坂真一副知事や冨原亮道議会議長、吉田祐樹道議会北方領土対策特別委員長、千島歯舞諸島居住者連盟の松本侑三理事長ら約150人が参加した。

 道庁から駅前通、時計台までの札幌市中心部をコースに行進。「北方領土の返還は国民の願いだ」「国民世論を盛り上げよう」とシュプレヒコールを上げた。

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