カネカ 苫東工場開所 医療機器製造の一大拠点 乳製品、カテーテル工場も新設へ

テープカットで工場開所を祝う菅原会長(右から3人目)、藤井社長(同2人目)、鈴木知事(同4人目)ら

 医療や食品などの総合化学業大手、カネカ(本社東京、藤井一彦社長)は26日、苫小牧東部地域に新設した医療機器製造工場の開所式を行った。2022年1月に用地約8・1ヘクタールの取得を発表して以来、総額約100億円を投じて整備した生産拠点の誕生だ。同社の菅原公一会長は「苫東はわれわれの核となる工場」と強調。乳製品や医療機器カテーテルの工場をそれぞれ新設し、26年度にも稼働させる方針も明らかにした。

 工場は「カネカ苫東工場(菊川宰工場長)」で、同社の医療機器製造の一大拠点の位置付け。同社にとっては54年ぶり全国5カ所目の工場新設で、道内では初の製造工場。今後のグローバルな展開を見据え、物流拠点の苫小牧に目を付けた。株式会社苫東から取得した臨空柏原地区(市柏原)8・1ヘクタール内で22年から整備してきた。新工場は平屋建てで、構造や延べ床面積、新規雇用の有無など詳細は非公表としている。

 新工場では、動脈硬化などを引き起こす要因となる血液中の悪玉コレステロールなどを選択的に除去する血漿(けっしょう)浄化器「リポソーバー」と、吸着型血液浄化器「レオカーナ」を生産する。原材料の投入から製品の梱包、検査までの全工程を自動化した最新のスマートファクトリーだ。

 同社によると、同様の製品を手作業で生産する大阪工場は運転要員10数人だが、苫東工場は「フィールドオペレーションゼロ」を掲げて運転要員はわずか2人。充塡(じゅうてん)量の自動計量や封止(ふうし)栓、AI(人工知能)自動外観検査装置の開発、製造実行システムの構築などの革新技術で自動化を実現した。

 この日は同工場で開所式を行い、市内のホテルで記念パーティーを開催。医療分野や取引先など関係者をはじめ、鈴木直道知事や苫小牧市長職務代理者の木村淳副市長ら来賓も合わせて約160人が参加。工場では製品の製造工程なども公開され、関係者や来賓らがテープカットのセレモニーで開所を祝った。

 記念パーティーで菅原会長は「北海道に工場を作ることが夢だった。夢の工場から世界に羽ばたきたい」などとあいさつ。同社役員らが次々と登壇し、苫東工場の展望などについて「(苫東は)国内第5の主力工場の位置付け」「カテーテルの工場を設置することも視野に入れている」などと紹介。別海ウエルネスファーム(根室管内別海町)の有機酪農生乳を原料にした乳製品工場を新設する方針も示した。

 さらに脱炭素社会の実現に貢献する「ゼロエネルギーファクトリー」を目標にしており、同社は「地域と連携し脱炭素に貢献したい」と意欲。工場敷地内はもちろん地域周辺工場の屋根にも太陽光発電パネルを置き、ネットワークを結んで効率よく電力を消費し、災害発生に備える構想も示した。カラフルな工場外壁デザインを担当したアーティストの曽谷朝絵氏も登壇し「建物全体で自然の力を表現することを目指した」などとアピールした。

関連記事

最新記事

ランキング

一覧を見る

紙面ビューワー

紙面ビューワー画面

レッドイーグルス

一覧を見る