16年前の自分超えた鈴木 競泳

16年前の自分超えた鈴木 競泳

 16年前の自分を超えて頂点に立った。男子50メートル平泳ぎ(運動機能障害SB3)で金メダルの鈴木は、2008年北京大会で出した自己ベストも塗り替え「16年間いろんなことをやってきて、ようやく報われた。すごく幸せ」。普段は冷静な37歳が、レース後は両腕を突き上げ、全身で喜びを表した。

 この種目は、21年東京大会で銅メダル。だが、満足感はなかった。「16年ぶりに必ず自己ベストを出して、金メダルを取り返そうという目標を持ってやってきた」と語ったのは岸本ヘッドコーチ。鈴木から頼まれ、昨年1月から平泳ぎの指導を受け持つようになった。

 契機になったのは約1カ月半前。コーチから指摘され、水をかいた後に伸ばす右腕の位置を修正。肘から先がない腕を、より体の中心に寄せてから前に出すことでバランスが安定し、泳ぎが劇的に改善した。7月の国内大会や直前合宿でも好タイムを連発。「自信を持っていける」と臨んだ本番で全てが結実した。

 メダル5個を手にした東京大会に続き、日本勢の金メダル1号に輝いた。「(競技)初日から勢いを生めたと思うので、日本チーム全体に広がってくれたら」。残りのエントリー種目に向け、「自分も活躍します」と頼もしかった。

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