「3年間頑張ってきてよかった」。女子シングルス(車いすWH1)で連覇を遂げ、里見は涙を流して喜んだ。バドミントンが初めて正式競技となった東京大会の覇者は、今大会も強かった。
空調設備からの風がシャトルの飛び方に大きく影響する会場。第1ゲームは向かい風に苦しみ、落とした。1―1で迎えた最終ゲームは、どちらかが11点を取った時点でコートチェンジとなり、里見は追い風で戦える。7―11と劣勢だったが「その差が全然怖くなくて、落ち着いて点数を重ねられた」。相手は疲れるとショットが単調になる。長いラリーを続けてミスを誘い、冷静な試合運びで巻き返した。
東京大会の決勝と同じ相手で、同じ展開での勝利。連覇には重みがある。「『里見紗李奈は金を取るでしょう』と思われてプレッシャーがあった。(期待に)応えられるか不安だった」。それだけに、最高の結果となって喜びもひとしおだった。
交通事故により、18歳で障害を負った。当初は車いすに乗る自分の姿が嫌いだった。だがバドミントンを始めてからは違う。「車いすになっていなかったら、こんな経験はできなかった」。目標は、車いすでよかったと言える人生を送ること。そう思える喜びがまた一つ増えた。

















