苫小牧市内の全中学校が今年度、性教育の講師を学校に紹介、派遣する市の事業を活用した講演会を開く。望まない妊娠や性被害の低年齢化が社会課題となる中、医師や助産師、看護師らが正しい性の知識を生徒たちに伝える。大人も知識向上を―と教職員向け研修会を開く学校もある。
市は2016年度、希望する高校に医師や助産師を派遣する性教育講演会事業をスタート。21年度は試行的に中学校4校でも実施した。
22年11月には性や心、体の健康、人間関係に関する専門知識を持つ人を性教育講師として登録する人材バンク事業に着手。講師陣をリスト化し、性教育を計画する小中学校、町内会などに紹介する取り組みで現在、助産師や看護師など9人が登録している。
両事業を活用し、23年度は義務教育学校後期課程を含む中学校14校で性教育を展開。今年度は全15校が計画している。
開成中学校(能登敬久校長)は21年度から毎年、性教育講演会を開いており、今年度は7月、札幌の助産師を迎えて3年生向けに実施。生徒たちが性の多様性や妊娠、性感染症、好ましい交際関係の築き方などに関する講話に耳を傾け、クラスメートとの意見交換を通じ、理解や知識を深めた。
同校は、時代に合った性教育には大人がもっと知識を高める必要があると8月23日、教職員向けの研修会を開催。保護者や同校区の清水小学校の教職員を含め、27人が参加した。
研修会では、柏木町の「助産院なりママ」の助産師中田知穂さんが性や生殖、人間関係、ジェンダーへの理解といった八つの視点からの包括的性教育を解説。性感染症や望まない妊娠のリスクから身を守るにはコンドームに対する正しい知識を持つ必要性があることにも触れ、参加者が模型を使って正しい装着を学ぶ時間も設けられた。
参加者からは「正しい知識を得ることで、子どもたちの明るい未来がある」「まずは大人が知識を向上、アップデートする必要性を感じた」といった感想が寄せられた。
能登校長は「性教育については保護者の意見もさまざまだが、生徒の予期しない妊娠を防ぐためにも、早い段階での性教育が大切。今後、どのような内容で進めていくべきかを検討したい」と語る。
















