苫小牧沖で海底調査 海域2カ所、無人機で 内閣府「海洋安全保障プラットフォームの構築」

苫小牧沖で海底調査 海域2カ所、無人機で 内閣府「海洋安全保障プラットフォームの構築」
苫小牧沖の調査海域(提供)

 内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の「海洋安全保障プラットフォームの構築」の一環で、無人潜水ロボットと海底観測装置を使った調査が、14日から20日まで苫小牧沖で行われる。調査は国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC、神奈川県)が担い、苫小牧漁業協同組合とも連携して海域2カ所を設定し、海底環境や生物の状況を調べる。

 「海洋安全保障プラットフォームの構築」は2023~27年の5カ年計画SIP第3期で掲げた海洋環境広域モニタリングシステムを含む新たな技術開発。日本のEEZ(排他的経済水域)内の海洋鉱物資源の利活用を促し、大規模二酸化炭素(CO2)貯留技術の高度化による資源供給網整備、50年のカーボンニュートラル実現などにつなげる。

 調査は今年3月の長崎を皮切りに、今回が全国4例目で、道内では初。苫小牧沖はCO2を分離、回収、貯留するCCS実証を継続し、環境省に豊富な海洋環境データがあることを踏まえて選んだ。同省海洋環境調査事業と同漁協の連携に基づき、苫小牧勇払沿岸から約2キロのA海域、苫小牧港・西港沖約19キロのB海域を設定した。

 海上技術安全研究所(東京)の自律型水中探査機(AUV)「ほばりん」(全長120センチ、横幅70センチ、高さ80センチ、重量270キロ)、岡本硝子(千葉県)の海底観測機器「江戸っ子1号COEDO」(全長約1メートル)を使用。「ほばりん」は作業船からクレーンで海中に投入し、事前に設定したルートを完全自走して撮影。「COEDO」は耐圧ガラス球体にカメラなどを内蔵しており、「音響灯台」の役割も果たす。

 A海域では16~18日の午前、漁協所属の漁船が協力して展開する。水深約20メートルに「COEDO」3台を約100メートル間隔で設置し、「ほばりん」が海中を調査する。B海域では15~20日、センサーや環境DNA採取装置を取り付けた「COEDO」計3台を24時間体制で水深約80~100メートルの地点に設置する。

 調査結果は今後、CCS事業や海底ケーブルの敷設、洋上風力発電の環境観測に応用できるといい、JAMSTECから調査事業を受託した次世代海洋調査(東京)は「カメラ映像やさまざまなセンサーを使い、海中や海底の環境はもちろん生物の様子も観測できる。海中の環境調査の新たな手法を確立するため得られた観測結果を分析し、環境省や漁協にも提供する」と話している。

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