ブラジルでジンギスカン 安平雪ダルマプロジェクト 道人会記念式典で振る舞う

ブラジルで安平町をPRした(右から)真保代表、田中さん、大島さん

 安平町内外の有志10人でつくる「安平雪ダルマプロジェクト」(真保郵生代表)は、ブラジルのサンパウロ市で先月25日に開かれた北海道移民105周年とブラジル北海道人会創立85周年の記念式典に参加し、町のジンギスカン「あびじん」を出席者約600人に振る舞った。同プロジェクトによると、ブラジルにジンギスカン料理はなく、「日系の人が懐かしがって食べてくれ、提供は大成功だった」と喜んでいる。

 安平町とブラジルの交流は2008年、町が同市に巨大な雪だるまをプレゼントしたのが始まり。18年9月の胆振東部地震の際は、道内出身の移民や子孫で組織する「ブラジル北海道協会」から義援金約200万円の寄付が町に届けられ、町は19年にも雪だるまを贈った。同プロジェクトは、雪ダルマプロジェクトチームとして、雪だるまの制作や輸送に関わった。

 今回は町の式典への出席が難しいため、真保代表(47)とメンバーの田中幸梨絵さん(44)、大島厚志さん(35)が渡航を決めた。

 食べ物で安平をアピールしようとジンギスカン料理を計画したが、日本から羊肉を持ち込むことはできず、田中さんと大島さんが6月に現地入り。スーパーなどを巡って食材や道具を調達し、試食会を重ねて本来の味に近いジンギスカンを完成させた。

 その後、真保代表と3人で8月21~24日の間、羊肉の余分な油を取り除き、臭みを取るためホエー液に漬け込み熟成させるなど、事前準備を徹底した。当日、出席者やボランティア600人に提供した羊肉は55キロ。日系3世の人から「懐かしい」と感激の声が上がったという。

 同プロジェクトは、真保代表の父で20年に76歳で亡くなった生紀さんが始めた取り組み。真保代表は「遺志を継いで活動をすることができた。(北海道移民110周年の)5年後をどうするか、今後検討したい」と話した。

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