芸術祭開幕 町内全域で企画展など展開 白老テーマのドキュ メンタリー映像も上映

芸術祭開幕  町内全域で企画展など展開 白老テーマのドキュ メンタリー映像も上映
会場を見学するバスツアーの参加者

 文化庁、日本芸術文化振興会、白老文化観光推進実行委員会(熊谷威二会長)主催の芸術祭「ルーツ&アーツしらおい2024―白老文化芸術共創」が、白老町内全域で開かれている。文化、商業施設を会場に企画展示などを繰り広げるアートイベントで、開催は11月1日まで。開幕日の20日は文化庁の職員やメディア関係者、町民らを対象にバスツアーが行われ、約30人が絵画や手工芸品を展示する会場を巡り、イベント概要を把握した。

 4年目の取り組みで、今年は4月に同庁の事業「日本博2・0」を契機とする「最高峰の文化資源の磨き上げによる満足度向上事業(委託型)」に採択されての開催となる。

 企画展示は屋内外で実施し、屋外作品には社台の浜辺に流木をらせん状に立てた洞爺湖町の現代美術家新井祥也さんの作品がある。屋内作品は、しらおい経済センター(大町)や堀岡鉄工所(東町)など6カ所に、町内外の作家約40組の作品を展示している。町内作家は緑町の陶芸家前田育子さん、東町の古布絵作家宇梶静江さん、竹浦の画家田湯加那子さんなど。町外作家は札幌市の版画家風間雄飛さん、ニューヨークの写真家アキタヒデキさんらで、それぞれオリジナリティーに満ちた秀作を出品している。

 またたび文庫(大町)1階では、白老をテーマに創作されたドキュメンタリー映像5作品を放映。竹浦出身、東京在住の映像作家西村理佐さんが、東京と竹浦を対比して作った作品などを紹介する。期間中には、作品を屋外で上映する特別展示も計画している。

 初日は、白老生活館で白老アイヌ協会の山丸和幸さんを祭司とする儀式カムイノミが行われ、関係者が取り組みの成功や文化と芸術によるまちの発展を祈った。その後、バスツアーが実施され、関係者らが各会場を巡った。

 版画や彫刻などを鑑賞した緑丘の粂田正博さん(74)は「どの作品にもまちや人の魅力が詰まっていると感じた」と感心。大町の元道議、神戸典臣さん(85)は「白老を愛して滞在し、アート作品を作ってくれている人がいることは町民としてうれしい」と笑顔を見せた。帯同した同実行委の熊谷会長は「地元の理解なくして芸術祭の発展はない。町民有志の協力に感謝するとともに、白老が芸術と文化のまちとして育っていくことを願う」と話した。

 各作品の鑑賞時間は会場によって異なる。詳細は公式サイト アドレス(https://shi-ra-oi.jp)。問い合わせは同実行委 電話0144(82)5363。

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