岩倉博文前苫小牧市長の辞職に伴う市長選(12月1日告示、同8日投開票)に、前市議会議員の金沢俊氏(50)、前市職員の田村一也氏(49)=五十音順=が出馬を表明した。いずれも無所属で立候補する考えだが、金沢氏は自民、公明両党苫小牧支部が推薦を決定し、田村氏は立憲民主党苫小牧支部が推薦を決める予定。金沢氏は岩倉前市長の後継指名を受ける一方、田村氏は5期18年に及んだ岩倉市政に「ひずみが出ていた」などと指摘。岩倉前市政への評価などを争点に、「与野党」一騎打ちの構図となりそうだ。
金沢氏は9日に出馬を表明して以降、「(市議時代の)18年間で縁を頂いた企業や団体などくまなく回ってきた」と着実に基盤を固めてきた。岩倉前市長の後継指名を受け、14日の事務所開きで自らを「岩倉チルドレン」と称するなど、岩倉氏の支持層を取り込む。対抗馬の姿が見えたことで「より緊張感が高まってきた」と気を引き締める。
22日には市議会議員を辞職し、選挙戦モードを本格化。23、24両日も企業や団体のあいさつ回りだけではなく、地域なども巡って、業種や年代に限らず幅広く支持者の拡大を進め、「自身がどうしていきたいのか、市民に伝えていきたい」と語気を強める。
一方、田村氏は22日に市職員を退職し、23日に記者会見に臨んだ。岩倉前市長に対して「敬意を表する」と前置きしつつ、「ひずみが出ていると感じた」などと指摘。政策の構想を近く正式発表するが、岩倉前市政が推進した施策の一部見直しも視野に入れる。
立憲民主党勢力は旧民主党時代を含め、14年から3回連続「不戦敗」だった。会見で後援会長の沖田龍児元道議は「党、連合の関係者は無風選挙を続け、有権者に申し訳ない思いだった。何としても市民の審判を仰ぐべく、候補者を擁立したい思いで声掛けした」と振り返り、田村氏の決意に党や連合など総力を挙げる考えを強調した。
◇岩倉博文前市長時代の市長選経過
2006年7月、市長が不祥事により任期途中で辞職したことに伴う市長選で、新人の岩倉博文氏は無所属=自民党推薦=で出馬し、旧民主党勢力の元職を下して初当選。10年は旧民主党、14年は共産党が擁立した候補と岩倉氏の一騎打ちの構図で、いずれも岩倉氏が当選した。選挙戦で強さを発揮する岩倉氏に対し、「野党」側は候補の擁立作業が年々難航するようになり、18年は対抗馬を出せず無風に。22年も公党からは対抗馬が出ず、政党や政治団体の支援を受けない無所属新人が出たが、岩倉氏が大差で下して5選を果たした。

















