自閉症の子どもと保護者らでつくる北海道自閉症協会苫小牧分会「あじさいの会」(佐藤佳子会長)は、20年以上続けてきた会員向け水泳教室「らっこスイミング」の活動に終止符を打った。市水上安全赤十字奉仕団(鈴木礼二郎委員長)などの協力で2000年ごろから始めたが、指導者の高齢化や減少で継続が困難となった。16日にはアブロス日新温水プールで最後の教室が開かれ、約10組が全力で練習に打ち込んだ。
鈴木さん(71)が1990年代の終わりごろ、当時の会員数人から「子どもが水に親しめるような活動をしたい」と協力を持ち掛けられたのが始まり。当初は小人数で行っていたが、徐々に生徒が増えたためらっこスイミングを設立。同プールやハイランドスポーツセンターを会場に5~11月の期間中、月2回の教室を開催してきた。
強いこだわりがあったり、コミュニケーションが苦手という特性を持つことが多い自閉症の子どもたちも安全に楽しく水泳を学べるよう、指導はマンツーマンで実施。苫小牧水泳協会にも協力を仰ぎ、一人一人の気持ちに丁寧に寄り添いながら、個別指導を続けた。
さらに、子どもたちに達成感を味わってもらうため、外部の水泳大会にも挑戦。会独自の記録会も開催し、自分の目標に向かって練習を重ね、成長する姿も見られた。
しかし、指導者の高齢化などで一対一の指導に必要な人数の確保が難しくなり、終了を決断。今月2日には同温水プールで最後の記録会を実施し、鈴木委員長は一人ひとりの努力をたたえた。
最終日の16日は、いつも通りにレッスンを開始。子どもたちは水に浮く感覚を身に付けたり、前に進むために大切な肩の動きを確認したり、目標の距離を泳いだりと、指導者と一緒に1時間の練習に励んだ。鈴木さんは「少しでも役に立てればと思って始めたが、あっという間だった。子どもたちの成長にこちらも楽しませてもらった」と語る。
当初から教室に参加してきた明野新町の母親(68)は「当時は10代だった息子も今は41歳。終わってしまうのは本当に寂しいが、最後まで親子で続けられてよかった」と笑顔。沼ノ端の50代母親は「水泳は息子にとっての生きがいで、社会とつながるきっかけになっている。皆さんに感謝しています」と話した。
来期は会員親子のみで水に親しむ自主活動を続ける予定。同会の水泳教室の運営を担当する伊藤晴美さん(44)は「皆さんの協力で、家族だけではできなかった有意義な経験をさせてもらった。今後どのような活動ができるか、会員で話し合いたい」と前を向いた。
















