【フェニックス時事】米大リーグの今季王者を決めるワールドシリーズ(WS、7回戦制)は1日、アリゾナ州フェニックスで第5戦が行われ、ア・リーグ覇者のレンジャーズがナ・リーグ王者のダイヤモンドバックスに5―0で勝って通算4勝1敗とし、球団創設63年目で初制覇を遂げた。
七回にガーバーの適時打で先制し、九回にセミエンの2ランなどで4点を追加。先発のイオバルディが6回無失点と好投し、継投も決まった。
最優秀選手(MVP)は打率2割8分6厘、3本塁打、6打点のシーガー内野手が選ばれた。ドジャースに在籍した2020年に続き、史上4人目となる2度目の受賞。
レンジャーズは今年のポストシーズンで、敵地では大リーグ記録の11連勝だった。
名将、初の世界一
メジャーを代表する68歳の名将が、就任1年目でレンジャーズを初の頂点に導いた。グラウンドで選手一人ひとりをねぎらったボウチー監督は「このチームを指揮できて、とても光栄」。監督でWS4度制覇は史上6人目。「監督を始めたときは夢にも思わなかった」と感慨に浸った。
パドレスとジャイアンツを率いて通算2000勝を達成。2019年限りで一線を退いたが、フランス代表を指揮したワールド・ベースボール・クラシック予選で指導者としての情熱が戻った。
新加入でサイ・ヤング賞(最優秀投手賞)2度のデグロームがシーズン中に右肘内側側副靱帯(じんたい)の手術を受けて今季絶望になるなど、中心選手に故障者が続いた。「監督としてこれまでで一番気を使うシーズンだった」と振り返る。
チーム一丸となって勝利を重ねてきた。WSでは1番セミエン、2番シーガーが打線を力強くけん引。負傷離脱した主砲ガルシアもプレーオフで存在の大きさを示した。
前回のWSは苦い記憶としてファンの心に刻まれている。2年連続で進出した11年にカージナルスと対戦。3勝2敗で迎えた第6戦、2点リードの九回に頂点まで「あと1球」から同点打を浴びた。延長十回に2点を勝ち越したものの裏に追い付かれ、十一回サヨナラ負け。第7戦も敗れた。
ようやく訪れた悲願の瞬間だった。選手やファンは、時間を忘れて歓喜の余韻に浸った。

















