道は9日、「北海道半導体関連産業振興ビジョン」の骨子案をまとめ、札幌市内で開いた2回目の有識者懇話会で示した。「次世代半導体をトリガー(引き金)に、世界に挑む北海道」を目指す姿に掲げ、計画期間は2024年度から33年度までの10年間で、当初5年間を重点期間に設定。千歳市で次世代半導体工場を建設中のラピダス(東京)の立地を支援して研究・人材育成が一体となった複合拠点を実現し、その効果を全道に波及させるため、四つの課題・方針を盛り込んだ。
道内の課題としては(1)半導体関連産業の集積が低い(2)産学官連携の取り組み不足(3)半導体人材の不足(4)道央圏への一極集中への懸念―の四つを挙げた。
こうした課題を克服するため「複合拠点を実現し、道内各地に拠点を設け、デジタルインフラを介して有機的に結び付けることにより、半導体エコシステムを構築する」ことを盛り込んだ。四つの課題ごとの方針として(1)半導体関連産業の集積(2)イノベーション(技術革新)の創出(3)人材の安定供給(4)地域経済の活性化―の4点を掲げた。
(1)では国内外の半導体関連企業の誘致を積極的に展開するほか、道内企業の取引拡大・参入を促進。(2)では半導体関連の研究拠点誘致のほか、ベンチャー企業やスタートアップ(新興企業)を育成。(3)では大学・高専など教育機関と連携して半導体分野の教育内容を充実し、人材の安定供給を図る。(4)ではデジタルの好循環の全道展開を図るほか、新たな需要を取り込むことで地域の付加価値の向上につなげる。
また、骨子案では具体的な数値は示さなかったが、(1)半導体関連産業の出荷額(2)大学・高専の半導体・デジタル技術に関する産学連携数(3)半導体関連産業の雇用者数(4)道内IT産業の売上高―など8項目の目標値をビジョンに盛り込む。
会合で有識者からは「道央圏以外に経済効果を波及させるための具体策を示すべき」との意見が出されたほか、オブザーバーとして参加したラピダスの清水敦男専務執行役員からは「経済に大きなプラスの影響を与えるのは27年の本格稼働から、さらに先になる。30年くらい先までの絵を描いてほしい」と要望も出た。
道では今後、ビジョンの素案を作成し、12月中旬~下旬に3回目の有識者懇話会を開催。今年度内にビジョンを策定する。
















