苫小牧市が男女平等参画都市を宣言してから、17日で10年を迎えた。世代や性別を超え、市民一人ひとりが人権を尊重し合う豊かな地域を目指す宣言の下、市内では独自の取り組みが展開され、男女平等参画に関する市民意識に変化も生まれている。
男女平等参画に関する都市宣言は、道内の自治体では苫小牧が最初。誰もが生き生きと心豊かに暮らせる社会の実現に向け、▽支え合う温かい地域をつくる▽手を携え責任を担う家庭をつくる▽個性や能力を生かす職場をつくる▽平等意識を育てる教育を目指す―という決意を表した。市民会館で開かれた記念式典で、約1000人の市民が声高らかに宣言を発した。
2017年10月には日本女性会議苫小牧大会が開催され、市内の取り組みを一層加速させた。男女平等参画に関する日本最大規模の事業で、全国各地から2000人が参加した。
18年度には岩倉博文市長を座長に、市民団体や企業、学識経験者などの市民代表が男女平等参画社会をテーマに意見を交わす市民会議が発足。21年度には同会議主催のイベント「自分らしさ応援エクスポ」もオンラインで開催した。22年度には同会議を「市長とジェンダーミーティング」に改め、さらに議論を深めてきた。同年度には婚姻することができない同性カップルの関係を市が公的に認めるパートナーシップ制度も導入した。
市民の意識も徐々に変化した。市が行った調査で「男性は仕事、女性は家庭」という考えを肯定する市民は、11年度では46・8%だったが、21年度は29・2%に減少。「家事、育児を男女で分担すべき」と考える市民も11年度は46・5%だったが、21年度には52・1%まで増えた。市協働・男女平等参画室は「都市宣言は、他都市でも例のない事業にまちを挙げて力を注ぐ上での大きな力となっている」と実感を込める。
一方、児童虐待や配偶者間の暴力など、男女平等参画社会の実現を妨げる課題も根強く残っている。都市宣言の実現を市に粘り強く働き掛けてきた苫小牧男女平等参画推進協議会(現ネットワーク苫小牧)の前会長で、日本女性会議苫小牧大会の実行委員長も務めた高橋雅子さん(87)=山手町=は「人権に関わる問題は、一人ひとりに突き付けられている課題。都市宣言から10年を機に、私たち市民も人権について改めて考えたい」と話している。
男女平等参画都市宣言後の苫小牧市の動き
2013年11月17日
苫小牧市男女平等参画都市宣言
15年度
・女性の審議会委員を増やすための女性人材バンク創設
・中学生以上向けのデートDV出前授業開始
16年度
・日本女性会議苫小牧大会のプレ大会実施
17年度
・日本女性会議苫小牧大会開催
・内閣府「おとう飯始めよう」キャンペーンに参加
18年度
・第3次男女平等参画基本計画策定
・市男女平等参画を推進する市民会議開始
19年度
・男女模擬議会開催(平等社会を推進するネットワーク苫小牧主催)
21年度
・市配偶者暴力相談支援センター設置
・「自分らしさ応援エクスポ」開催
22年度
・パートナーシップ制度導入
・市長とジェンダーミーティング開始
















