【ニューヨーク時事】米大リーグ機構(MLB)は20日、プロ野球のオリックスからポスティングシステムを利用して米大リーグ移籍を目指す山本由伸投手(25)について、獲得可能な選手として全30球団に通知した。米大リーグ関係者が明らかにした。
米東部時間21日午前8時(日本時間同日午後10時)から譲渡金を支払う意思を示した全球団との交渉が可能となる。交渉期間は45日間で、来年1月4日東部時間午後5時(日本時間5日午前7時)が期限となる。
山本は今季、16勝6敗、防御率1・21の成績を挙げ、3年連続の投手4冠。沢村賞にも3年連続で選ばれた。米メディアでは早くからフリーエージェント(FA)市場で有力投手の一人として高く評価され、ヤンキースやメッツなど多くの球団が関心を示しているとされてきた。報道によると、総額2億ドル(約300億円)を超える大型契約を結ぶと見込まれている。
【ニューヨーク時事】2023年は7年ぶりにプレーオフ進出を逃した米大リーグのヤンキース。来季の巻き返しを期す名門球団が、今オフに日本選手の獲得を含む大型補強に動くのか関心が高まっている。
ニューヨーク・ポスト紙は18日付の記事で、現在の状況がやはりプレーオフに進めなかった13年のオフと似ている点に注目した。10年前は日本プロ野球の楽天からポスティングシステムを利用して大リーグ移籍を目指した田中将大投手(現楽天)を狙い、当時の日本人大リーガーとしては史上最高額になる7年総額1億5500万ドル(当時のレートで約160億円)で契約。複数の大物野手も加えて立て直しを図った。
今オフも日本のオリックスから米国移籍を目指す山本由伸投手や、カブスからフリーエージェント(FA)になった強打のコディ・ベリンジャー外野手らチームのニーズに合致する選手が市場にいる。ニューヨーク・ポスト紙は、ヤンキースが特に山本に強い関心を示していると指摘した。その一方、エンゼルスからFAになった大谷翔平選手の獲得については「楽観的に捉えていない」として、可能性が低いとの見方を示した。
かつて豊富な資金力を武器にスター選手を入団させ、「悪の帝国」の悪名もとどろかせたヤンキース。09年を最後にワールドシリーズから遠ざかっている大都市球団の再建の鍵は、日本選手が握っているかもしれない。














