増える「リケジョ」  苫小牧市内の高専や工業高校

増える「リケジョ」  苫小牧市内の高専や工業高校
「ホールピペット」を使って滴定実験を行う宮地さん(中央)=苫小牧工業高校

 理工系を専攻する「リケジョ」(理系女子)の活躍が注目される中、苫小牧市内でも工業高等専門学校(高専)や工業高校に進学する女子生徒が増えている。近年、情報分野に関心を示す若い女性は多く、各校で機械や電気以外のカリキュラムも充実。苫高専(小林幸徳校長)は今年初めて1年生に半導体の授業を行うなど、次世代半導体製造ラピダス(東京)の千歳市進出を受けた動きも加速させており、女子学生の関心もさらに高まりそうだ。

 苫高専では、今年度の入学者のうち約4分の1に当たる53人を女子学生が占める。例年は30~40人台で、直近の10年間では最多となった。

 理工系は就職に強く、職場によっては特に女性が求められるケースも。AI(人工知能)やデータサイエンス(膨大なデータを収集分析し、社会やビジネスの課題解決につなげることを目指す学問)が重視される社会の進展で、「理系を身近に感じ、社会のニーズに応えたいと考える女性が増えている」と教務主事の松田奏保教授はみる。

 また、「かつて工業といえば機械や電気のイメージが強かったが、情報分野のカリキュラムもあり印象が変わってきている」と指摘。ものづくり企業でも女性が活躍しており、「長く働き続けられる専門性を身に付けたいと考える人も多い」と言う。

 苫高専は、リケジョを育てよう―と2010年から中学生との交流イベントを開催。19~20年度は科学技術振興機構の「女子中高生の理系進路選択支援プログラム」の採択を受け、旭川、釧路両高専と女子中高生の理系進路選択を支援する活動「Riko(りこ)のきゃりさぽ」に取り組んだ。

 「高専は女子が少ないイメージだったが結構いる」と1年の鵜飼藍楓(あいか)さん(16)。成田優香さん(16)は「普通高校では扱わない創造工学と呼ばれる(電気電子系や機械系など)5系を学ぶことができ、他の人よりも早く専門性を身に付けられる。就職に有利になると思った」と振り返る。小林校長は「女性の研究者はまだ少なく、目指す人が増えてくれれば」と期待する。

 苫小牧工業高校(諸橋宏明校長)には、今年度47人の女子生徒が入学。例年、新入生約240人のうち女子は30人台にとどまるが、今年度は大幅に増えた。特に建築科、環境化学科、情報技術科の入学者がいずれも2桁台で、板坂浩毅主幹教諭は「ここ数年で増えている印象」と話す。

 「ものづくりが好き」という環境化学科3年の宮地璃乃さん(18)は「科学の楽しさを味わいたい」と同校を選択。1年建築科の小西優花さん(16)は「将来1級建築士になりたくて基礎を一から学ぶため」と入学理由を述べた。

 板坂教諭は「入試説明会では女子の在校生がイメージアップに貢献してくれている」と強調。「以前は卒業後すぐに就職するケースが目立ったが、今は3割ほどが進学するなど社会状況も変わってきた」とし、理系への関心がより高まっていくことに期待している。

 政府はデジタル、脱炭素といった成長分野の人材育成を強化。専用サイト「リコチャレ」などを通じ女子生徒の理工系への進路選択を促す情報発信を続けており、リケジョ支援の奨学金制度なども検討している。道もラピダス工場の25年稼働に向け、大学・高専などでの半導体分野の教育内容の充実と人材の安定供給を掲げる道半導体関連産業振興ビジョンを年度内に策定する予定だ。

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