一般社団法人北海道新産業創造機構(略称ANIC=エイニック)の藤井裕理事長(道経連会長)は21日、札幌市内で記者会見し、千歳市に次世代半導体の製造拠点を設けるラピダス(東京)進出に伴う、道内経済への波及効果のシミュレーションを発表した。工場が1棟と2棟の二つのシナリオを試算。2棟建設の場合の経済波及効果は、2023~36年度の14年間の累計で18兆8000億円に上り、道内のGDP(国内総生産)を11兆2000億円押し上げると推計した。
ANICは今年7月、ラピダスや半導体関連企業の円滑な立地を支援するため、道経連や北洋銀行、北海道電力など5者で設立した。ラピダス進出による道内経済への波及効果試算が示されるのは初めて。今回の波及効果は、ラピダスや半導体関連産業が計画・公表しているものではなく、ANICが設定した前提条件や想定値を基にシミュレーションとして算定した。
ラピダスは千歳市で2棟以上の工場建設を計画している。9月に着工した1棟目の工場を27年に本格稼働させるが、2棟目の工場も30年度に量産を開始すると設定。工場1棟の場合を「シナリオ(1)」、2棟の場合を「シナリオ(2)」としてそれぞれ試算した。
「シナリオ(2)」では、関連産業の事業所新規立地数は70カ所▽関連産業を含む従業者数は約3600人▽従業員のうち新たに住宅建築を必要とする割合は7割▽ラピダスによる資材などの道内調達率30%、半導体製品の道内販売率5%―と見積もった。
1棟目が量産を開始する27年度から36年度まで10年間のラピダスの生産効果は10兆円としたほか、投資効果として▽ラピダス工場・設備は8兆5000億円▽関連産業工場・設備は2980億円▽住宅整備は806億円―と試算。これらを合わせた23年度から14年間の累計の経済波及効果は18兆8000億円に上り、道内のGDP影響額は累計11兆2000億円とした。
一方、「シナリオ(1)」の場合は、関連産業の事業所新規立地数は20カ所、関連産業を含む従業者数は約1600人に想定。10年間のラピダスの生産効果は5兆8000億円で、14年間累計の経済波及効果は10兆1000億円、GDP影響額は6兆1000億円と試算した。
会見した藤井理事長は「非常に大きい数字だ。ラピダスの立地は、道内経済の発展に大きな期待が寄せられている一方、スピード感を持って取り組む必要がある」と強調。「産・学・官・金のオール北海道での取り組みが重要」と述べた。



















