タクシーがつかまらない… 忘年会シーズン本格化前に夜のまちからは悲鳴

タクシーがつかまらない… 忘年会シーズン本格化前に夜のまちからは悲鳴
苫小牧市内で夜の繁華街を走行するタクシー。運転手の人手不足や高齢化を背景に、予約や利用がしにくい状況が続いている

 苫小牧市内でタクシーの稼働台数が減り、夜間は特に利用しづらい状況が続いている。運転手の高齢化や人手不足などが背景で、予約や配車が滞るケースも。市内のタクシー事業者は対策を模索するが、解決策を打ち出せないのが現状だ。新型コロナが5類に移行してから迎える初の忘年会シーズン本格化を前に、繁華街で営業する飲食店からも「死活問題だ」などと悲鳴が上がっている。

運転手不足で理解求める

 北海ハイヤー(あけぼの町)は「運転手の高齢化が進み、新たな成り手もいない」と現状を明かす。同社は金、土曜、午後5~7時は20台ほどで運行しているが、時間が進むにつれて稼働台数が減少。翌日午前1時ごろには2、3台になるという。

 同社によると10年前は、週末の夜に約30台が稼働していた。現在は運転手の平均年齢が60代となり、「高齢の運転手から『体力的にもたない』と声がある。午後9時以降は特に台数が減り、日によっては申し訳ないが、依頼を断ることもある」と説明する。

 苫小牧第一観光ハイヤー苫小牧営業所(有明町)も車両30台を保有するが、運転手の高齢化や成り手不足を踏まえ、平日夜の稼働は15台と半減。運転手は歩合制のため、時間指定の配車依頼も、受けたがらないという。やりくりして配車しても、客から「遅い」と苦情が入るのが現状だ。

 同営業所の原田義広所長は「夜勤に特化して募集しているが、昼間ほどやりたがる人はいない。酔っ払い客の相手もしなくてはならず負担が大きい」と頭を抱える。対策として、歩合制ではなく固定給のドライバーを募り、夜間対応してもらうことも考えている。

 胆振、日高管内のタクシー事業者は10月25日、燃料価格の高騰や人手不足の対策として、料金を約3年8カ月ぶりに値上げ。運転手の収入増につなげて人手確保を目指すが、その効果について原田所長は「まだ分からない」。業界を取り巻く環境は厳しさを増すばかりで「今は時代が違うということを、お客さんも分かってほしい」と訴える。

飲食店の売り上げに影響も

 夜の繁華街からはタクシーが目に見えて減り、北海道料理飲食業生活衛生同業組合苫小牧中央支部の丹野善尚支部長(52)は「飲食店の8~9割は困っている。売り上げへの影響はとても大きい」と指摘。バーやスナックを経営する組合員の中には、タクシーを手配するため電話を何度しても、出てもらえないケースもあったという。

 新型コロナの5類移行後、「夜の街」の客足は回復傾向が続いていたが、移動手段への不安から二次会や三次会を控える人も増えている模様。運転代行も待ち時間が増え、1~2時間かかることも。自宅に歩いて帰る人もいるという。

 大町の738BAR(ナミエバー)の向亮代表(42)は「バスやJRの始発まで店で待つ客もいた」と困惑。錦町のD―BarMirage(ディーバーミラージュ)の松原和清マスター(46)も「電車やバスに乗ろうと、早めに帰る人が増えている。店だけでなく、みんな困っている」と危機感を抱いている。

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