苫小牧市と苫小牧観光協会(市町峰行会長)は今年度、MICE(マイス、国際的な会合の総称)誘致に力を入れている。市は都市再生コンセプトプランに沿って事業を推進し、同協会は内部組織を改編して体制を強化。11月30日には初の勉強会も共催し、地域活性化に向けて理解を深めた。
マイスは、企業の会議や研修旅行、国際機関・団体・学会の国際会議、展示会、イベントなどの総称。ビジネス機会の創出や地域の活性化をはじめ、市民の参加や行政組織のノウハウ蓄積など、幅広い分野で波及効果が期待されている。
市は2020年度策定の都市再生コンセプトプランでマイス誘致を明記。23年度は誘致に特化したPR動画やパンフレットを、事業費約500万円で新たに作っており、市未来創造戦略室は「行政と民間が連携して苫小牧に多くの人が来る仕組みをつくりたい」と話す。
同協会もマイスの効果に着目。6月に市大会等誘致推進協議会を、市MICE誘致推進協議会に改めた。従来はスポーツ大会の誘致に特化していたが、新組織は企業や業界団体の研修や大規模会議、イベントを含め、マイス誘致に向けて幅広く取り組んでいる。
そんな市と同協会は11月30日、市美術博物館で初の勉強会を開いた。ホテルやテレビ局、旅行代理店など関係者56人が出席し、全国でマイス関連の調査研究業務を展開するコングレ(東京)営業企画部の田邉優介氏が講師を務めた。
田邉氏は苫小牧のマイスについて、産業都市としての特徴や26年3月オープン予定の市民文化ホールを生かすよう提案。田邉氏は「(港と空港の)ダブルポートがあり、ウトナイ湖やキラキラ公園など、魅力的な場所がたくさんある」と苫小牧の特徴を挙げ、幅広い産業に経済効果が波及すると説明した。
一方、苫小牧は知名度不足や鉄道アクセスの不便さ、ハード面の老朽化など課題も多い。田邉氏は「札幌市と違い、行政と民間が連携して自分たちに合ったものを考え、主催者が利用しやすい環境を整えることが重要となる」と助言した。
参加者はマイスへの期待を膨らませ、情報サービス業モース(汐見町)の阿部和法代表は「まちづくりの観点から、交流人口を増やす一つの手段として有効」と評価。同協会の市町会長も「参加者の関心は高い」と手応えをつかみ「マイスからIR(カジノを含む統合型リゾート施設)の誘致につながる可能性がある」と展望している。
















