水中ドローン使い岸壁点検 苫小牧港で運用 コスト削減にも 苫栗林運輸

水中ドローンを岸壁の点検作業に使う作業員

 苫小牧市元中野町の港湾・貨物運送業、苫小牧栗林運輸(栗林秀光社長)が、小型無人機の水中ドローンを岸壁の点検作業で活用している。従業員が社内公募を経て操縦資格を取得し、今年7月から苫小牧港で運用。同社はコスト削減効果を見込んでおり、今後は室蘭港などでの使用を目指す。

 同社は従業員4人が日本水中ドローン協会認定の「水中ドローン安全潜航操縦士」を取得し、水中ドローン(縦38センチ、横33センチ、重さ4・6キロ)を導入した。ドローンに装備したカメラで映像を撮影し、タブレットやスマートフォンを見ながら遠隔操作で点検。水深約100メートルまで潜航可能で、長さ約200メートルのケーブルにつないで作業を行う。

 岸壁点検はこれまで潜水士による作業が主流。岸壁で使う鋼鉄製のシートパイルは、経年劣化で溶接部にひびが入ることがあり、定期的な点検が必要とされるが、作業1回につき100万円ほどかかる。さらに手続きの煩雑さや潜水士の成り手不足も課題だった。

 同社によると、水中ドローンの点検でかかる費用は従来手法と比べて半分から3分の2ほどで、運用も海上保安署への電話報告のみで済むという。同社の小林秀昭取締役現業部長は「普段から荷役作業で岸壁を使うわれわれにとっても、点検作業は安全確保につながる。今後は私設岸壁を中心に事業を広げたい」と展望する。

 同社は今年7月から、苫小牧市勇払で請け負う岸壁の点検作業で水中ドローンを使っている。資格所有者3人がドローンの操縦、ケーブルの操作、監督者の役割をそれぞれ果たしながら作業。点検1回につき2時間半ほどかけ、映像で損傷の有無などを確認する。

 作業員の一人福田奈緒子さん(34)は昨年9月に資格を取得。海底で機体の位置が分からなくなったり、波の影響で操縦が難しかったりと、悪戦苦闘を続けながら腕を磨いた。普段は事務職で「達成感もあり、仕事の幅が広がった」と喜ぶ。

 苫小牧港管理組合も水中ドローンを港湾内の構造物点検で運用しているが、同組合施設維持係は「あくまで試験的に状況の確認などに使っている」と説明。市内で水中ドローンを活用した岸壁点検はまだ珍しいとみられ、「(同社から)水中ドローンの運用ノウハウを学ぶことも検討する」としている。

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