苫小牧市は2029~30年度に計画していた市営住宅「日新団地」(日新町)の解体を、34~36年度に先送りする方針だ。同団地の暖房や給湯を担ってきた苫小牧熱サービスが今年9月に熱供給事業から撤退したことにより、市が同団地7棟を個別暖房に切り替え、活用期間も延ばすことにした。11月に予定していた改修工事を終え、市は「有効活用したい」としている。
日新団地は1970~79年建設。市は建物の老朽化を踏まえ、当初は2014~28年度の計画で、段階的に建て替える方針だった。新住宅は個別暖房に切り替えるが、28年度までは同社が現団地の熱供給事業を担うとし、15~28年度は同事業の縮小に伴い、市が補償費約6億円を支払うことで合意していた。
ところが、同社は燃料費の高騰や取引先の縮小などにより、経営状況が悪化したことを受け、20年に熱供給事業からの撤退を表明。当初計画から5年前倒しとなる23年度で、同団地の熱供給事業を終えることになった。現団地には9月末現在、19棟に517世帯が入居しているが、全員の転居は難しいことから、市は7棟で地域暖房から個別暖房に切り替え、現団地の延命を図ることにした。
個別暖房への切り替えは、22年度に4棟82戸、23年度に3棟44戸で実施し、今年11月に改修工事を終えた。事業費は3億2640万円で、国の補助金1億4372万円を活用した。市は同社にこれまで補償費約2億7000万円を支出したが、残り約3億3000万円は支払わなくて済むため、約1億5000万円の削減につながるという。
一方、対象7棟は国補助の活用要件により、工事後10年間は使用する必要があるため、市は今年3月に市営住宅整備計画を見直し、解体を先送りする方針を決めた。市住宅課は「建物の耐震性には問題なく、有効活用したい。建て替えの際、希望者が同じ地域の市営住宅に仮入居し、完成後に戻る形にしたい」と説明している。
















