年末インタビュー 苫小牧商工会議所 宮本 知治会頭 ラピダス 進出 住宅需要に期待 新燃料、積極的に 取り入れて

年末インタビュー  苫小牧商工会議所 宮本 知治会頭 ラピダス 進出 住宅需要に期待 新燃料、積極的に 取り入れて
ラピダス、大型データセンターの進出で波及効果を期待する宮本会頭

 新型コロナウイルス感染症による行動制限がなくなる一方、長引く物価高が市民や企業に大きな影響を及ぼした2023年。ソフトバンク(東京)の大型データセンター(DC)進出表明など、地域経済にとってはかつてない好機も訪れている。苫小牧商工会議所の宮本知治会頭に今年を振り返ってもらい、新年の展望を聞いた。

 ―今年の地域経済を振り返って。

 「苫小牧市は1年で人口が約1000人減るなど、地域の企業や団体が容易に人を集められない時代が来ている。多くの企業が人手不足の課題を抱え、物価やエネルギーの高騰が企業にも、一般家庭にも、ボディーブローのように効いている。売り上げや利益が上がらず、地域の中小企業は苦労した1年だった」

 ―地域の人手不足が進行している。

 「人手不足はもう元には戻らない。その前提で動く必要がある。苫小牧では今年、建築工事や公共投資は減らなかったが、人手不足でこなしきれないという話も聞いた。一足飛びでは当然いかないが、AI(人工知能)などの導入で業務を効率化できる企業が、これから伸びていくのではないか」

 ―千歳市に次世代半導体製造ラピダス(東京)が進出し、苫東地域も大型DCをはじめ企業の立地表明が相次いでいる。

 「(ラピダス、大型DCは)国家的プロジェクトであまりにも規模が大きく、地場企業への波及効果はまだ計れない。地域の地場企業がこれらの仕事に直接関わるというのは、かなりハードルが高いとみている。清掃や運送業が中心になると思うが、ハードルを越えて参入する意欲を持った企業はあると思う。商議所としても期待している」

 「地域にとって一番期待できるのは、企業で働く人の住宅需要。苫小牧の東部地域に家を建ててくれれば、固定資産税の増収や日用品の消費などが見込める。人材流出への懸念もあるが、これまで道外に流れていた理系人材の受け皿ができたという面ではありがたいと言える」

 ―地域の脱炭素化にどのように取り組むか。

 「水素などの新燃料をどんどん取り入れる必要がある。一部の企業からは水素ステーション建設を要望する声もある。企業が動きだすきっかけづくりのために、設置については行政の支援を求めたい。苫小牧は道内の脱炭素化の先進地にならなければならない。いずれは苫小牧のまちなかの一画に、水素エネルギーで電気や冷暖房を稼働できるモデル地区などができれば面白い」

 ―JR苫小牧駅前で空きビル状態が続く旧エガオ問題については。

 「岩倉博文苫小牧市長の任期も残り約2年半。問題の解決に道筋をつけてもらいたい。今年は地権者の大東開発と直接会談も行うなど動きもあった。地域に大きなプロジェクトが来ているだけに、玄関口を何とかしてもらいたい」

 ―新年の展望は。

 「市内では年明け早々、第78回国民スポーツ大会冬季大会の一部競技が開催される。出光興産北海道製油所の4年に1度の大規模な定期補修工事(シャットダウンメンテナンス)もある。関係者延べ1万人ほどが訪れると聞いており、地域の飲食業や運送業への波及効果を期待している」

 「ラピダスも操業開始に向け、来年は全貌が見えてくると思う。DCや海底ケーブルなど、国家的プロジェクトもいよいよ動きだす。苫東地域はラピダスの関連企業やウイスキー蒸留所の建設が進む。楽しみな1年になりそうだ」

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