東胆振の重点医療機関である苫小牧市立病院(市清水町)、王子総合病院(市若草町)は11日、能登半島地震の被災地支援として、災害派遣医療チーム(DMAT)を石川県に派遣した。厚生労働省DMAT事務局などを通した要請に基づく支援で、それぞれ13~17日に現地で活動を予定。医師らは「胆振東部地震の支援で受けた恩返しができたら」と意気込み、11日午後にそれぞれ出発した。
DMATは災害発生時の支援を担う医療チーム。医師、看護師、他の医療職や事務職員による業務調整員で構成し、被災地に入って医療支援などを展開する。道内でDMAT派遣が可能な医療機関は37カ所で、東胆振では両院が道DMAT指定医療機関。道は専門性の高い実働訓練を毎年行っており、今年度は昨年12月に苫小牧市がメイン会場となり、両院も有事に備えたばかりだった。
派遣は、市立が5人、王子が4人。それぞれ苫小牧を11日に出発し、市立は苫小牧東港から、王子は小樽港からフェリーで新潟県に入り、石川県七尾市の公立能登総合病院(能登医療圏DMAT活動拠点本部)まで陸路で移動した上、派遣先や活動内容などが決まるという。派遣チームの食事やトイレ、寝床などは自己完結するのが基本のため、両院は救急車を搬送車に転用した車両などを持ち込み、市立は車両2台、王子は車両1台に必要な物資を満載して現地に向かった。
このうち市立病院の派遣チームは、医師の杉山昂さん(39)、看護師の松田優美さん(52)、駒畠一也さん(38)、業務調整員の牧野祐司さん(44)、鹿野泰典さん(35)。2018年9月に発生した胆振東部地震では、同院にDMAT現地調整本部が置かれ、全国22チームが活動した経験がある。
11日に出発式を同院で行った。堀田哲也副院長(54)が「われわれの気持ちも乗せて、安全に活動していただければ」と激励し、杉山さんが代表あいさつで「胆振東部地震で支援していただいた恩返しが少しでもできたら」と意欲。医師や看護師ら約50人が見送り、「頑張って」「気を付けて」などと激励の声も飛ぶ中、杉山さんは「みんなのサポートがあるから被災地に行ける。次の活動に生かせるように取り組みたい」と述べた。
王子の派遣チームは、医師の渡辺政徳さん(54)、看護師の谷川賢二さん(43)、横川亮介さん(34)、業務調整員の赤井忠範さん(49)。渡辺さんは「被災地では感染症がまん延し、逼迫(ひっぱく)した状況と聞いている。被災者の皆さまの希望に添える形でお手伝いできたら」と意気込んだ。
さらに胆振東部地震の経験を踏まえ、4人で「微力ながら恩返しできたら」などと強調。出発行事は行わなかったが4人が車両に乗り込む際、同僚や入院患者らが院内の窓から手を振って見送る姿が広がった。



















