南野は１６日が２９歳の誕生日。練習前に選手、スタッフが列になってつくった祝福のトンネルを通った。シーズン中の大会開催に欧州クラブからは不満の声もある中、「１月のアジア杯も悪くないですね」。穏やかな笑みを浮かべた。

　ベトナム戦で２ゴール。攻撃の組み立てに関わるだけではなく、懸命にボールを奪いにいく守備の姿勢も際立った。「しっかり勝って、きょうを迎えられたのがうれしい」。チームへの貢献度が大きかった分、喜びもひとしおだろう。

　前回大会はトップ下で主力としてプレー。その後は所属クラブで出番に恵まれず、苦しい時間が続いたが、今季はモナコで開幕から定位置をつかんで５得点。「いいスタートが切れた。まだまだ欧州のトップでやるために、もっと成長したい」。口ぶりに自信と意欲がにじむ。

　周囲には若手が増え、主将の遠藤らとチームを引っ張る立場になった。「年を取ったなと感じるけど、まだ２０代なので。スタメンで試合に出て、結果を残すことに対してただ貪欲」。高い競争意識を持って、チームを活気づけるつもりだ。