次世代半導体で世界の最先端に ラピダス清水専務ら講演 道のセミナー

次世代半導体で世界の最先端に ラピダス清水専務ら講演 道のセミナー
半導体産業の展望を紹介したセミナー

 道主催の道民向けセミナー「次世代半導体とほっかいどうの未来in苫小牧」が19日、苫小牧経済センタービルで開かれた。次世代半導体製造ラピダス(東京)が千歳市で工場を建設する中、半導体関連産業への道民理解を得ようと、昨年から道内各地で催している事業。同社の清水敦男専務ら3人が講演し、オンラインを含めて約170人が耳を傾けた。

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 清水専務は「次世代半導体プロジェクトについて」をテーマに、同社の事業概要などを紹介した。半導体の現状について「多大なエネルギーを使うが、ニーズは増える一方。今のままでは行き詰まる」と指摘し、同社がこれら課題の解決も含めて、省エネで高性能な世界最先端のロジック半導体製造に挑んでいることを説明した。

 世界でもまだ商業化されていない2ナノメートル(ナノは10億分の1)半導体の製造に向け、昨年は研究者ら約100人を米IBMに派遣しており、「今年も100人ほどを送り込む」と開発促進に意欲。現在は日本が半導体産業で世界各国に遅れを取る中、同社は2025年の試作ライン稼働、27年の量産開始を目指しており「(日本が)世界の最先端に戻る」と訴えた。

 また、半導体製造の材料を運び込む物流について「海と陸の玄関口は苫小牧。皆さまにご支援いただきたい」と協力を求めた。人材採用については、大学や高等技術専門学校をはじめ「北海道の方を積極的に採用したい」と意欲を見せ、「必要なエンジニアは多種多様。ありとあらゆる学問領域を学んだ人が働ける場」とアピールした。

 苫小牧、千歳、札幌、石狩を線で結び、道央圏で産業集積を図る「北海道バレー構想」にも触れ、「ラピダスが発展の一助になれば」と強調。世界各国から研究者やエンジニアが訪れるなどの波及効果や、周辺の地価高騰や交通渋滞が懸念されるなどの課題も一通り説明した上、「顕在化する問題は解決できる。北海道、日本の発展につながる大きな果実を皆さまと刈り取りたい」と呼び掛けた。

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 この他、北大量子集積エレクトロニクス研究センターの葛西誠也教授が「半導体の今と未来について」の題で講演。葛西教授は、半導体を「陰から支えてくれる現代の魔法」と例え「半導体がなくなると、自動車やスマートフォンも使えず、生活も社会も成り立たない」と解説した。

 その上で「半導体の自給率は食料よりも低く、輸入に頼っている」と指摘し、安全保障の観点からも半導体産業が必要なことを解説。次世代半導体は消費電力を激減できるなど、ライフスタイルを変える可能性があることを示し「北海道に新しい産業ができ、日本のみならず世界に貢献できる。若者にとって非常に魅力的。半導体は社会を変える力がある」と訴えた。

 公立千歳科学技術大理工学部情報システム工学科の福田浩教授も「半導体で地域がどう変わるのか」の題で講演。米国で半導体関連産業が集積するシリコンバレーなどを例に、「半導体関連は裾野が広い。ラピダスから30キロ圏内に関連産業が集積する可能性がある。苫小牧は陸運、海運の拠点、物流のハブも含めて、多くの可能性を秘めている」と述べた。

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