22年苫小牧港取扱貨物量全国3位 国家備蓄石油の放出要因に コロナ禍からも回復傾向

2年ぶりに取扱貨物量が全国3位になった苫小牧港(ドローン撮影)

 2022年の全国港湾取扱貨物量が確定し、苫小牧港は約1億805万3700トンで、20年以来2年ぶりに横浜港を抜いて全国3位となった。国家備蓄石油の初の放出による「特需」が主な要因だが、新型コロナウイルス禍からも回復傾向となる中、国内貨物が多い苫小牧の強みが際立ち、国際貨物の取扱量も増やした。

 苫小牧港管理組合のまとめ。苫小牧港は19年まで全国4位が続き、20年は横浜港を上回って3位となったが、21年は再び4位となっていた。22年の取扱貨物量は苫小牧、横浜ともに前年実績を上回ったが、苫小牧は増加幅が約3・1%と大きく、横浜港を約180万トン上回って3位に浮上した。1位は名古屋港、2位は千葉港で不動だった。

 同組合によると、取扱貨物量の増加幅が大きかったのは、国家備蓄石油の売却があったことが主な要因。国際エネルギー機関(IEA)による石油備蓄の協調放出合意を受け、苫小牧市と厚真町にまたがる国内最大の国家石油備蓄基地、苫小牧東部国家石油備蓄基地から、石油備蓄法に基づき原油が初めて放出された。

 また、新型コロナ禍からの回復も顕著という。苫小牧港は13年から10年連続で貨物量が1億トン以上となる「億トン港」で、このうち国内貨物は01年から22年連続で日本一。他港がコロナ禍の影響を海外貨物でより受ける中、20年以降も比較的安定した取扱量を記録している。さらに国際コンテナ個数も22年、20フィートコンテナ換算で約29万6000個と過去最高で、コロナ禍からの回復を裏付けた。

 同組合の佐々木秀郎専任副管理者は、苫小牧港の全国3位に「喜ばしいこと。北海道の経済において、苫小牧港がいかに役立っているかを表している」と強調。一方で「(数字は)良かったとはいえ、石油輸出などが要因で、一喜一憂することでもない」と冷静に受け止める。

 23年は貨物取扱量の見通しが厳しく、1億トンを下回る可能性もあるという。東京電力福島第1原子力発電所の処理水海洋放出により、昨年8月から中国が日本産水産物の輸入を停止した影響が大きいことに加え、苫小牧市の主要生産品である紙・パルプの輸出が減り、取扱貨物量は22年を下回る公算だ。

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