苫小牧市教育委員会は、児童生徒数の減少で小規模校状態が続く勇払小学校と勇払中学校について、市の適正化基本方針に基づく配置の本格的な検討を始めた。市教委は▽同中のみ沼ノ端中に統合▽同小中を義務教育学校に移行して存続―の二つの方向性で検討を進める考えで、2024年度中の方針決定を目指す。24日には同中で住民説明会を開いた。
同小は1895年、同中は1947年に開校。日本製紙勇払事業所や関連企業の進出などで人口が増え、勇払小の全校児童はピーク時900人を超えた。しかし近年、同事業所の洋紙生産停止に伴う人口流出や少子化などで子どもが激減し、昨年5月1日時点の児童生徒数は同小60人、同中43人。同小では2021年度から複式学級編成が続き、23年度は3・4年生、5・6年生が複式学級となっている。
市教委は、一人ひとりに目が行き届くきめ細かな指導や異学年交流のしやすさといった小規模校のメリットを認める一方、行事や部活動の制限、教員不足など児童生徒の学びに影響が生じていることを問題視。29年度には同小41人、同中30人まで減少すると推計し、同小校舎の大規模改修を計画している27年度を前に適正配置の検討に着手した。
約30人が出席した住民説明会では、昨夏に行った保護者アンケートで「クラス替えがなく人間関係が固定される」「希望の部活動ができない」「複式学級の授業が不安」などの意見が寄せられたことを報告。保護者、地域住民らでつくる学校運営協議会(コミュニティースクール)との意見交換も踏まえ、「勇払中を沼ノ端中と統合」「勇払小中を統合して義務教育学校化」の二つの選択肢で検討を進める考えを示した。
両校の廃校については「学校が無くなると過疎化が進む」といった住民の懸念を考慮し、見送ったことを説明した。
出席者からは「町の存続に関わる」「避難場所が減るのは心細い」「八王子の姉妹校との関係が心配」などの声が上がった。
両校が八王子千人同心の勇払開拓の歴史を伝える「千人隊踊り」や「勇払千人隊御会所太鼓」など地域の伝統芸能継承に取り組んで経緯もあり、その存続を危惧する意見に対し、園田透教育部長は「伝統文化存続のためには子どもたちの協力が不可欠」と述べた。
市教委は09年度に「市小中学校規模適正化基本方針」を策定。勇払地区についてはさらに21年度にまとめた規模適正化の「現状と課題」で、検討の必要性が指摘されていた。今後、同日出された意見や庁内協議などを踏まえ、24年度中に配置方針や実施時期を決めたい考え。
















