苫小牧市若草町の王子総合病院(岩井和浩院長)は30日、能登半島地震の被災地で活動した災害派遣医療チーム(DMAT)の報告会を同院で開いた。同院からは2班計8人が石川県に入り、患者の搬送や医療機関の業務支援、夜勤当直の代行など幅広い内容で支援。現地の医療職も被災する厳しい状況での経験を振り返り、今後の被災地支援の在り方や同院での備えなどを再確認した。
DMATは災害発生時の支援を担う医療チームで、医師、看護師、他の医療職や事務職員による業務調整員らで構成。東胆振では同院と市立病院が道DMAT指定医療機関で、それぞれ厚生労働省DMAT事務局などを通して、石川県に医療チームを派遣している。
王子は2班を派遣。12~16日に七尾市で医師の渡辺政徳さん(54)、看護師の谷川賢二さん(43)、横川亮介さん(34)、業務調整員の赤井忠範さん(49)が、20~24日に珠洲市で医師の本間敏美さん(50)、看護師の黒滝いずみさん(57)、小畑尚美さん(44)、業務調整員の山崎和啓さん(43)が活動した。
報告会は各班を代表して谷川さん、黒滝さんが発表し、医療職ら約50人が耳を傾けた。谷川さんは拠点病院と活動地域との陸路移動について「5日間で1050キロ。行きは通れたところが、帰りは通れないこともあった」と説明。被災地の移動だけで肉体的にも、精神的にもダメージを受けたことを明かした。
患者約120人の転院搬送の一部を担ったが「(患者を)平時に動かすだけでも大変だが、搬送途中で転院先が決まった」と回顧。「何でもやるのがDMATだが、どんな役割があるのか、予測できないストレスがあった」と有事に即応する難しさや現地での混乱について紹介した。
黒滝さんも「ストレッチャーをベッド代わりにした」などと述べ、食事や寝床などを自己完結するDMATならではの苦労を報告。活動中は洗髪や入浴などもできず「夏は対策が必要」と指摘。さらに「現地は職員も被災者で、コロナ感染も目立っていた」と述べ、負担の軽減につなげようと夜勤などを代行したことを振り返った。
また、王子は救急車両を持ち込んだことで「非常にありがたがられた。雪道や寒さにも強く、後続隊にも引き継げた」と利点を強調。一方、現地ではSNSで情報共有を図っていたが、「電波状況が不安定だった」とも。「地域の特性に合わせた情報収集と準備が必要」と今後の活動に生かすことを誓った。
















