キャンプ初日。巨人の阿部監督は、さっそくブルペン入りしたドラフト1位新人の西舘(中大)に「飛ばし過ぎないように」と声を掛けると、5球ほど見ただけでその場を離れた。「こんな異様な雰囲気で投げて、俺が後ろで仁王立ちしたら、むちゃするだろうしね」
積極的に競争を促しつつも、環境に不慣れな若手や新加入選手の状態には心を配る。ドラフト3位の佐々木(日立製作所)らの打撃練習ではトス役を買って出て、現役ドラフトで阪神から移籍した馬場にもブルペンで助言した。
自ら打撃ケージでバッティングを披露するなどして、現場の雰囲気も盛り上げた。「選手もプロだから。見てもらうことが仕事なので、きつい時ほど笑顔でいてほしい」。44歳の快活な指揮官が、悪天候続きの第1クールを活気づけた。
(宮崎)














