苫小牧市音羽町の妙見寺で12日、元札幌交響楽団首席チェリストの土田英順さん(87)=札幌市在住=のチャリティーコンサートが開かれた。同寺で演奏を重ねてきた土田さんからの申し出で当初、能登半島地震の復興支援として企画されたが、6日に亡くなった親友で世界的指揮者の小澤征爾さんの追悼も兼ね、柔らかなチェロの音色を響かせた。
小澤さんとは高校時代からの付き合いで、音楽家として認め合う仲だった。突然の訃報に「ショックで何も手に付かなくなったが、彼ならスコア(総譜)を広げて勉強を続けるだろうと考え、気を取り直した」と土田さん。お酒が好きで親孝行の温かな人柄を紹介し、「本当に天才中の天才ながら、人の何倍も努力する人だった」と惜しんだ。
土田さんは「思い出がたくさんあり過ぎる。これ以上話していたらコンサートができなくなる」と言葉を切り、シューベルトやグノーなどの「アベマリア」を弾き分けた後、ベートーベンの「月光」「悲愴(ひそう)」、バッハの「G線上のアリア」などを思いを込めて奏でた。アンコールには「キャッツ」や「天空の城ラピュタ」の楽曲で応えた。
勇払の遠藤好昭さん(61)は「とても引き込まれる音色で、素晴らしかった。小澤さんとの友情も聞けて、よかった」と心を動かされた様子だった。
会場に設置した募金箱には10万8022円の善意が集まった。能登半島地震被災地への義援金として、全額を市社会福祉協議会に託した。
















