エゾシカ捕獲 今年度も 苫小牧市 前年上回るペース

苫小牧市内の山林で行われている、くくりわなを使ったエゾシカの捕獲事業

 苫小牧市は今年度も、市街地周辺でエゾシカの捕獲事業に取り組んでいる。街中でのエゾシカ出没が急増し、市民とのトラブルが後を絶たない中で2022年度に始まった事業。捕獲頭数は15日時点で163頭と前年実績を上回るペースで推移しており、事業の受託業者と連携し、エゾシカ肉などの有効活用を推進している。

 近年は市内のほぼ全域にエゾシカが出没し庭木や家庭菜園、街路樹の食害などが多発しているほか、交通事故の件数も右肩上がり。道警によると、23年に市内で起きたシカが絡む交通事故は前年比21件増の387件に上り、道内市町村で最多を記録した。

 こうした状況を踏まえ、市は22年度、市街地周辺で捕獲事業に着手。同年度は2月1日から38日間、市内中心部の一般の立ち入りを制限した山林で目標の50頭の3倍超の156頭を捕獲した。

 一定の手応えを得て、今年度は1月10日から3月中旬までの予定で200頭を目標に、同じ場所で事業をスタート。前年度に続き、日高町の専門業者、株式会社K(佐々木憲代表)が事業を受託し、くくりわなを50カ所に設置した。捕獲頭数は1日平均5頭前後で、最高で14頭かかった日もあったという。

 同社のハンターは「前年度よりもシカが警戒するようになった」とみて、すべてのわなを毎日点検。設置場所を小まめに変えたり、餌としてシカが好む牧草を近くに置いたりと試行錯誤している。

 同社はエゾシカの肉で無添加のジャーキーやフレーク、リブなどのペットフード、シカ角で犬用玩具を製造。「ジビエスタイル」のブランド名でネット販売しているほか、全国のペットショップなど約70店に商品を卸している。

 捕獲したエゾシカはこれまで自社商品の原料として積極的に活用してきたが市の要請を受け、他の部位も活用するべく革製品や漢方薬を扱う各業者への提供も進めている。

 佐々木代表は「命をできる限り無駄にしたくない。ペットフードとして、シカ肉は高タンパクで低脂肪、鉄分も豊富で優れた食材」と語る。

 市環境生活課の武田涼一課長は「捕獲事業は順調。市としてシカの有効活用を推進していきたい」としている。

関連記事

最新記事

ランキング

一覧を見る

紙面ビューワー

紙面ビューワー画面

レッドイーグルス

一覧を見る