今キャンプで日本ハム投手陣には、あるテーマが課されている。各打者との対戦で初球にストライクを取ること。オープン戦までは初球を真ん中へ投げて一発を浴びても、責められることはない。発案した建山投手コーチが目を光らせている。
初球は勝負の「分かれ道」と同コーチは説く。1球目でカウント優位に持ち込めば、その後の攻めに余裕が生まれる。「1ボールから始まると、長打や四球のリスクは高まる」。もちろん、公式戦では慎重にボール球で入る場面もある。今だからできる基礎の徹底だ。
建山コーチは米国でプレーしていた際、チームで実践した経験があった。目標は「初球ストライク率60%以上」。打たれてもいいとはいえ簡単ではなく、12日の練習試合では全体で「53%」だった。韓国のサムスン相手で互いを知らない状況での対戦。打者が簡単に手を出してこない中で目安に届かず、課題が残った。
実戦の前後には、コーチと選手で数字の確認や反省を行う。制球に課題がある上原は「いい時と悪い時の指標になりそう」と効果を期待。2年目の金村は「投手全体で共通認識ができている。継続していきたい」と話す。
昨季は2年連続最下位に沈んだが、チーム防御率3・08はリーグ3位。今季は補強もあり、特に先発陣の層は厚くなった。意識が浸透すれば、投手陣が巻き返しを狙うチームの強みになりそうだ。
(名護)

















