日本製紙(東京)は、苫小牧市勇払の「勇払バイオマス発電所」で発生する燃焼灰由来の肥料を、1月から本格的に販売している。これまで産業廃棄物だった焼却灰の有効活用で、年間5000トンの供給を想定。農林水産省運営の「国内肥料資源マッチングサイト」を活用し、販売網の開拓を目指している。
同発電所は木質材のみを燃料に使うバイオマス発電所としては国内最大級で、昨年2月から営業運転している。発電で燃やした木質チップやパームヤシ殻、未利用木材から発生する焼却灰は、カリウムや窒素、リン酸など、農作物の成長に欠かせない肥料成分が含まれている。日本ではこれら肥料成分の多くを輸入に頼っており、国産資源の安定供給に期待は大きい。
同社は2016年に焼却灰の有効利用について検討を始め、18年から熊本県八代市の八代工場バイオマス発電所で、発生する灰の一部を特殊肥料として販売。実験的な取り組みだったが好調で、ロシアのウクライナ侵攻により肥料価格が高騰している現状も踏まえ、勇払でも本格的に取り組むことになった。
焼却灰はマッチングサイトを通じ、肥料のメーカーや利用者などに供給。そのままでも肥料として使えるほか、灰を原料とした肥料製品にもできる。同発電所から排出される焼却灰のうち、約6割に当たる年5000トンを販売する計画で、価格は1キロ当たり50~200円。同社は「『木とともに未来を拓く』のスローガンに基づき、資源の有効活用をいっそう進めたい」と話している。
勇払バイオマス発電所は、20年1月で洋紙生産を停止した旧勇払事業所に代わる事業。出力は7万4950キロワットで、約16万世帯分の年間電力消費量を発電し、所内の使用分を除いた全量を北海道電力ネットワークに売電している。
















