苫小牧市は2024年度、野良猫の不妊・去勢手術費用の一部を助成する事業に乗り出す考えだ。市内でも野良猫を巡る住民トラブルや、保護団体への過大な負担といった問題が生じており、野良猫増加を抑制して問題の深刻化を防ぐ。
市が計画する助成事業は市民や町内会、保護団体などが野良猫に対して避妊手術を行った際、雌猫1匹に上限1万円、雄猫1匹に同7000円を助成する内容。事業枠は雌猫50匹、雄猫25匹で想定しており、新年度予算案に67万5000円を計上した。
これまでも市内では、保護団体や市民有志が独自に地域の野良猫や遺棄された子猫に避妊手術を施してきた。特に飼い主のいない猫の保護活動に取り組む民間組織「ねこのかくれざと」では年間約150匹もの猫に避妊手術を実施してきたが、藤田藍代表は「12年にわたって取り組んできたけど地域の野良猫は一向に減らず、市民からの相談はむしろ増えている」と指摘。市内には5000~1万匹の野良猫がいると推定しており、「猫の繁殖力の強さを考えると1、2年後には数倍に膨れ上がる可能性が高い」と危機感を強めている。
かわいそう―と野良猫に餌を与えるうちに家の中で繁殖し、飼い切れなくなるいわゆる多頭飼育崩壊に関する相談も増えているという。
藤田代表は「野良猫を減らすことは、将来的に不幸な状況になる猫を減らすことにもなる」と強調。一団体だけでは資金的にも労力的にもすべての野良猫に対応することは不可能なことから昨年12月、野良猫の避妊・去勢手術の助成を求める要望書を市に提出し、まちを挙げた対策の必要性を訴えた。
市も野良猫への餌やりに関する市民からの苦情が増えていることなどを受け、昨年6月、犬や猫の適切な飼育方法をまとめた「犬や猫と快適に暮らすためのガイドライン」を策定。周知を図ってきたが野良猫が爆発的に増えることで地域の衛生状態の悪化や住民トラブルの増加などの課題がさらに深刻化するとみて具体的な手だてとして助成事業に乗り出すことを決めたという。
助成の手続き方法や条件などについては予算成立後、他都市の事例も参考にしながら詰める方針。まずは2024年度中に試行的な位置付けでスタートし、効果や課題などを見極めながら追加の手だてを講じることも検討していく。
市環境衛生部環境生活課は「人も動物も快適に過ごすまちづくりを進める仕組みを考える上でも、まずは第一歩として助成事業をスタートできれば」としている。
















