パリ五輪日本代表選考会へ意気込み アーチェリー 岸塚美樹

パリ五輪日本代表選考会へ意気込み
アーチェリー 岸塚美樹
選考会に向け練習に励む岸塚

 今夏開催のパリ五輪で、団体出場を目指す日本女子アーチェリー。6月にトルコ・アンタルヤで開催される団体世界最終予選に参加するメンバーを決める日本代表選考会(8~10日、東京・夢の島公園アーチェリー場)に東京五輪代表で苫小牧市在住の岸塚美樹(ハードオフコーポレーション)が出場する。東京大会では悔しい思いをしただけに今大会に懸ける思いは強い。

 全日本室内選手権大会(2月17~18日・長崎県)では8位に終わり、惜しくも入賞を逃した。「(試合前に)風邪を引き、3週間ほど練習できない期間があった」と調整不足が響いた。それでも「選考会に向けて調子を上げ、自分なりにできることをしてきた」と力を込める。

 東京五輪では苦しさを経験した。中学生の時から出場を夢見てつかんだ舞台だったが、日本代表コーチと普段のコーチの指導法が違うことなどから、葛藤や迷いが生まれた。団体では5位入賞を果たしたものの、思ったようなプレーができず、大会後には引退も考えた。

 転機が訪れたのは東京五輪(2021年)の1カ月後に開かれた世界選手権だった。引退試合として「自分のやりたいことをしよう」と腹を決めると迷いは吹っ切れた。「それまで緊張し過ぎて余裕がなかったが、この時は楽しめた。(男女ペアの混合や女子団体では)他の選手を気にする余裕も出て、すっきりとして試合に挑んだ」と力を抜いて競技に臨めた。周りの人からの応援や支えも感じ「後悔をしたくない」とパリへのチャレンジを決意した。

 東京五輪の経験から「このままだと強くなれない」と思い、高校時代からの恩師と離れる新たな挑戦を決断した。「試合では自分で選択していかないといけない。勝つために自分と向き合うことを1度やってみたかった」と語る。

 現在は苫小牧市総合体育館のアーチェリー場で一人黙々と技術を磨く。普段は週5~6日で1日250本ほど弓を引く。今は量を増やし、週6日で1日300本を目安に練習を重ねる。「自分が納得する射ち方でどのくらい(的に)集まるかを意識している。精度を高めていきたい」と集中力を高める。

 日本代表の席はわずか2枠。15人による厳しい争いになるが「たくさんの協力や支えがあった。その恩返しをしたい」と強調する。「自立して初めてのオリンピック。自分がやりたかったことを発揮して(代表の座を)決め、最終予選への通過点にしたい」と闘志を燃やしている。

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