苫小牧市は2024年度から2年をかけ、市地域防災計画を全面的に見直す。22年7月に道が公表した最大死者数4万人の巨大地震被害想定など最新の知見を反映させるため。同計画は災害対策基本法に基づく市の最上位計画で、1965年に策定。全面改定は、95年の阪神大震災を受けて行った98年3月以来27年ぶりとなる。
市は24年度予算案に事業費1200万円を計上。山本俊介副市長は1日の定例市議会で「国や道から示された最新の災害予測、被害想定のデータを収集、整理し、防災上の課題を分析するなどアセスメント(影響評価)に準じた作業を行う」と説明した。民間事業者に業務を委託し、地震・津波災害、火山災害、風水害などで想定される危険性に加え、人口推移や社会・自然条件も整理。25年度に市の素案を示し、市民の意見公募を経た上で同年度末の完成を目指す。
道は22年7月、日本海溝・千島海溝沿いを震源域とする巨大地震発生時の被害想定を公表。苫小牧市の津波被害を死者最大4万人、避難者数6万2000人と推計した。市の現行計画では、直下型地震で死傷者25人、被災者9410人とかけ離れた数字になっている。市は昨年3月、津波ハザードマップを改定し、新しい避難経路を示したが、同マップにとどまらず防災計画そのものの抜本的な見直しが求められていた。
現行計画は阪神大震災以降も、東日本大震災や熊本地震を踏まえ、被害を最小限に抑える「減災」の視点を取り入れたり、仮設住宅の建設候補地や安否情報の提供方法を追記したりと個別に修正してきた。全面改定作業は、新たな災害想定を固めた上で、計画に盛り込む市民や行政、関係機関の災害対応、避難の在り方、救援・救護、応援受け入れ体制―などの議論が進められる見通しだ。
















