スプリント部門の世界女王に返り咲いた高木は、日の丸を手にリンクを1周した。会場の大半を埋めた本場オランダのファンも拍手でたたえる。2020年以来の総合優勝に、「取りに行くと決めて来た。そこは前回と大きく違う」と強調した。
500メートルはコーナーで体勢を崩しながら、37秒19の好記録。最終種目の1000メートルは、そのミスを「引きずった」というが、リンク新記録だった前日のタイムを上回り、高い地力を示した。リンク記録を更新したレールダム(オランダ)には及ばず、「悔しい気持ちが残る」。反省も忘れなかった。
1000メートル、1500メートルの2冠を達成した2月の世界距離別選手権後、氷上練習から一度離れた。久しぶりにリンクに立った時、手応えを感じ始めていた短距離を「もっとやりたい」と意欲が湧き、今回の挑戦を決断。スタートや直線の滑りには好感触が残り、「次のステップだな」と成長を実感した。
今季はワールドカップ(W杯)でも1000メートル、1500メートルで種目別優勝。主要タイトルを総なめにした。「来年そうなるとは限らない。だから面白い」。常に進化を追い求める。

















