白老で町伝統文化継承者展 31日まで 神謡も披露 大須賀さん展示解説

白老で町伝統文化継承者展 31日まで 神謡も披露 大須賀さん展示解説
展示資料について解説する大須賀さん(左)と武永館長

 白老町の仙台藩白老元陣屋資料館は、企画展「白老町伝統文化継承者展」を開いている。アイヌ民族の口承文芸筆録の翻訳で町の文化伝承に貢献したとして、町教育委員会から1月に町の伝統文化継承者に認定された大須賀るえ子さん(83)=町緑丘=に関する資料を展示する。口承文芸筆録の翻訳集など100点で、31日まで観覧できる。

 同継承者展は2022年から毎年、この時期に開いている。

 今展では、大須賀さん主宰の「白老楽しく・やさしいアイヌ語教室」が発行してきた口承文芸筆録の翻訳集をメインに、大須賀さんの祖父宮本イカシマトクさんの肖像、祖母サキさんが着用したルウンペ(木綿衣)、大須賀さんが町内の土産店に勤めていた頃の写真などを並べる。

 開幕初日の9日は展示解説会を開き、町民ら約60人が参加した。1947年9月に録音されたサキさん(当時65歳)のカムイユカラ(神謡)の録音を紹介し、大須賀さんによる神謡の披露も行った。

 武永真館長は「企画展を通じ、並々ならぬ熱意と努力で受け継がれた白老地方のアイヌ語研究の軌跡とまなざしに、ぜひ触れてほしい」と来場を呼び掛けている。

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