苫小牧市は、2024年度の多文化共生指針策定に向け、市内在住の日本人と外国人を対象に実施したアンケートの結果をまとめた。市内で外国人住民の受け入れが増える中、外国人に対して壁を感じる市民が4割強で、理由として言葉や文化の違いなどを挙げた。外国人からは日本人と交流を求める声が多く、収入や環境面を理由に移住を希望する人も一定数いる現状が浮き彫りとなった。
市は誰もが国籍や文化的背景に関わらず、共生できる多文化共生社会の実現を目指し、24年度に同指針を策定する。アンケートは昨年10月、現状把握や課題を抽出し、基礎的資料にしようと行った。市内の日本人2030人、外国人1042人を無作為抽出し、用紙を郵送した。回答率は日本人26・2%(527人)、外国人22・7%(226人)だった。
日本人へのアンケートで、外国人に対する壁について、「ある」との回答が44%(229人)だった。理由(複数回答可)は多い順に、「言葉の違い」が37・5%(202人)、「文化・生活習慣の違い」が26・4%(142人)、「ものの考え方・価値観の違い」が21・9%(118人)だった。
外国人の増加で考えられる影響についての回答(複数回答)では、「外国の言葉や文化に触れる機会が増える」が24・3%(334人)、「社会に多様性が生まれる」20・4%(280人)と好意的な意見が多かったが、否定的な意見も「トラブルが増える」10・9%(149人)、「治安が悪くなる」7・6%(104人)と一定数あった。
外国人と日本人が互いに理解を深めるために必要なこと(二つまで選択回答)は、「異文化を体験する機会(伝統芸能や料理講座など)」が50・8%(259人)、「外国語を学習する機会」が39・4%(201人)、「地域での交流や活動の機会(町内会の活動など)」が38・4%(196人)など。接する機会を増やすべきとの意見が多く選ばれた。
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外国人向けアンケートでは、設問「地域の日本人とどんなことをしたいか」(三つまで選択回答)で、「日本の文化や習慣を学びたい」が24・4%(120人)で最多だった。次いで「日本語を学びたい」が23・4%(115人)、「友達付き合いをしたい」が15・4%(76人)と、日本人との交流を望む声が多かった。
「嫌な思いをしたか」という設問(複数回答可)では、「ない」が53・8%(113人)で過半数だったが、「日本人から差別的な態度をされた」も34・3%(72人)いた。
今後も市内で暮らすかとの問いには、「住みたい」が67・9%(148人)に達し、住みたい理由として「仕事があるから」と答える人が目立った。
一方で「日本の他の場所に行きたい」が14・7%(32人)、「国に帰りたい」が3・2%(7人)と一定数いた。「他の町の方が給料が高い」「苫小牧は寒い」「車がないのでどこに行くのも不便」など、収入や生活環境面で不満の声も上がった。
市未来創造戦略室は「日本人、外国人共に交流を求める声が多いが、市役所内にある国際交流サロンの認知度は低い。事業所で雇用した外国人が市外に行くことも課題」と分析する。
新年度の指針策定に向けて「互いを尊重し、外国人ができる限り苫小牧に住み、離れたとしても関わりを持てるような指針を作りたい」としている。
















