北海道大学の3、4年生3人が11日、白老町の山林や飲食店を訪れ、アイヌ民族が食べてきた山菜の下処理や保存法を学んだ。道民として北海道の先住民族への理解を深めたいとの思いからで、リーダーで農学部森林科学科3年の丸山友希さん(21)は「白老で学んだ知恵や文化を広く発信もできれば」と話す。
3人は、丸山さんとフランス系留学生で同科3年のジャラ・シソワットさん(21)、文学部4年の根岸建人さん(21)。
丸山さんは生まれも育ちも札幌市で、白老町での民族共生象徴空間(ウポポイ)の開業などでアイヌ民族に興味を持った。「道民にアイヌ文化への理解をもっと広げたい」と思い、同大が札幌のキャンパスで6月7~9日に開催を予定する「北大祭」でアイヌ料理を紹介するブースの開設を構想している。
この日は、賛同する仲間2人と来町。栄町の元自営業、河崎光典さん(81)と竹浦の山林に入ってフキやナナツバなどの山菜を採取。この後、河崎さん宅で下処理や保存方法について「ネマガリダケは包丁で縦に筋を入れると皮を●【92a8】きやすくなる」「フキやナナツバはゆがいて瓶などで塩漬けにすると長期保存ができる」などと説明を受け、熱心に耳を傾けていた。
丸山さんは3月にも町社台の飲食店ミナパチセを訪れ、田村直美店主(53)からオハウ(汁物)などサケ料理の作り方を学んだ。この時、「料理は一緒に食べることで、おいしさなどを共有できる。アイヌ文化への理解を広げるには料理が近道では」と思い、北大祭で料理などを伝えることを考えるようになった。
河崎さんの元には田村さんの紹介で訪ね、「旬のものを大事に食べてきたという精神文化を含め、学んだ知識や経験を今後に生かしたい」と意欲を表した。河崎さんは「知識だけでなく、体験して学ぼうとする若者を応援したい」と話していた。

















